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“一発屋”タレント・鼠先輩の今。ブレイクから13年「2発屋を狙ってます」

プロの道を諦めたらメジャーデビューが決まった

鼠先輩 いち社会人として就職するなど、“普通”に働くようになってから5年。突然、チャンスが舞い降りる。当初は葛藤もあった。 「不思議ですよね。プロは諦めていたけど、続けていたんですよ。この格好で『ぽっぽ』言いながらライブハウスには出ていたので。たまたま、それを見ていた音楽関係者から声がかかって。ただ、最初は断ったんですよ。  なにせ、そのときはすでに35歳。映像制作会社で働く真面目な社会人でしたから。いい年齢の大人だったので、芸能界の厳しさも想像がつく。一生食っていけるわけがないって。そこで、改めて自分と向き合ったんです」  一度きりの人生、やってみてもいいのかもしれない……。  そして2008年、「六本木~GIROPPON~」にてユニバーサルミュージックよりメジャーデビューを果たす。オリコンの演歌部門のランキングで1位を獲得するなど大ヒット。それだけではなく、独特のキャラクターがお茶の間に受け入れられ、バラエティ番組を中心に引っ張りだこだった。 「そりゃうれしいですよ。事務所やレコード会社の力もあるでしょうが、自分でも面白い曲だと思っていたので、ヒットする自信がありました。本当にブームでしたよね、ブーム。そして、『これで終わるな』ってわかっていましたから。ある意味、予定どおりなんですよ」

「これで終わるな」最初から1発狙いだった

一発屋

ネクタイには“一発屋”と書かれている

 じつは鼠先輩、最初から“1発”狙いだったとか。 「もともと、“一発屋”が念頭にあったので、事務所にもデビューから1年で引退すると話をしていたんです。バッターボックスに1回だけ立って大振りする。三振でもよかったんですが、たまたま当たってホームランを打った」  その翌年、人気絶頂のさなかで芸能界引退を発表。社会人に戻るべく、ハローワークにも通い詰めたが、なかなか職にはありつけなかったという。 「1回このスタイルでやってしまうと、普通のアルバイトもできなくなってしまって。顔もバレているから先輩も使いづらいでしょう。そんなときに、CMのオファーがきて。なかなかない機会だと思って、やることにしたんです。そこから活動を再開して、今まで続けることになったんですが……」  瞬く間にテレビでは見かけなくなってしまった。仕事は減っていく一方だった。スケジュールにも空白が目立つようになり、収入は下降線をたどる。その後は——。
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「なんとか『ぽっぽ』で食えている」
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