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老後資金2000万円も夢じゃない。つみたてNISAが“早くやったもん勝ち”のワケ

つみたてNISAの運用は約40年間続く

 つみたてNISAは非課税期間が最長20年と長いのが最大のメリットとお話ししましたが、もう少し具体的に解説します。  たとえばつみたてNISA口座で2021年の1月1日から12月31日までに積立をした投資信託は、2040年12月31日まで非課税期間が続いていきます。また2022年に積立をした投資信託は2041年まで非課税期間が続くので、毎年積立を続けると非課税期間の終了は1年ずつズレていくと思って下さい。  その上で、つみたてNISAで現状、新規投資できるのは2042年までなので、仮に2040年に積立した分は2059年まで非課税期間が続きます。  2059年というと、今から約40年後の話になるので、つみたてNISAの運用は、正確には約40年間続くことを知っておきましょう。
NISA

※『これだけやれば大丈夫! お金の不安がなくなる資産形成1年生』より

つみたてNISAで老後資金2000万円も夢じゃない

 では、つみたてNISAで約40年間、運用を続けるとどれくらいの利益が期待できるのかを考えてみます。  仮に25歳でつみたてNISAを始めたら、40年後というと65歳なので、ちょうど老後資金が必要になってくる頃でしょう。  今回はつみたてNISAの非課税枠40万円を20年間、満額積立して、年利5%のケースでシミュレーションをしてみます。  投資元本は1年目から20年目までは毎年40万円ずつ増えていきますが、つみたてNISAで新規投資できるのは2042年までのため、21年目以降は、それまでに積立した元本の合計800万円を据え置きとします。  また非課税期間が終了した分は、自動的に課税口座へ移るのでそのまま運用を続けることもできますが、今回はつみたてNISA口座における運用のみのシミュレーションとするために、課税口座に移った時点で売却した想定とします。  この条件で、約40年間での利益がどれくらいになるかを把握すべく、1年目~39年目の元本と利益の推移をグラフにすると、最終的には元本800万円で利益1,220万円と、合計で2,000万円以上の投資資産になりました。  過去には老後資金2,000万円問題が話題になったこともあり、将来に不安を感じる方も多いと思いますが、今のうちからつみたてNISAを始めておくだけで、老後資金2,000万円の用意も夢ではないことが分かります。  ただ、今回は25歳のケースで検証してみましたが、30代もしくは40代などの方だと、「そこまで長く運用を続けられないのでは?」と気になった方もいるかと思います。しかし人生100年時代とも言われる今では、思いのほか運用を長く続けられる可能性もあるので、年齢にとらわれることなく、まずは思い立ったらつみたてNISAを始めてみるのがよろしいかと思います。
図版

※図版は著者作成

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つみたてNISAのおすすめ3銘柄を紹介
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1989年生まれ。横浜国立大学卒業後、三菱UFJ銀行に入行。同行退社後、ブログやSNSでNISAやiDeCoなど資産運用の入門知識を発信。現在はYouTube「BANK ACADEMY」の運営に注力しており、YouTubeのチャンネル登録者数は70万人を超える。「超初心者でも理解できるよう優しく伝える」をモットーに、自作のイラストを駆使した丁寧な解説が好評を得ている。著書に『これだけやれば大丈夫! お金の不安がなくなる資産形成1年生』(KADOKAWA)がある

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これだけやれば大丈夫! お金の不安がなくなる資産形成1年生

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