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老後資金2000万円も夢じゃない。つみたてNISAが“早くやったもん勝ち”のワケ

つみたてNISAのおすすめ3銘柄を紹介

 最後に、これからつみたてNISAを始める方へ、まず選んでみて欲しい3銘柄を紹介します。  つみたてNISAの対象商品は投資信託という、様々な株式や債券が袋詰めになった商品ですが、その中身によってリスク(値動きの幅)が変わってきます。基本的には、株式が多ければ値動きが大きいハイリスク・ハイリターン、債券が多ければ値動きが小さいローリスク・ローリターンという認識を持っておくといいでしょう。  ここで大事なのはどれだけ儲けられるかより、どれくらいの損失まで自分が我慢できるかを考えることです。これをリスク許容度と言いますが、投資が続かないよくあるケースは、リスク許容度を超える損失を抱えてしまった時です。〇%あるいは〇万円のマイナスまでなら我慢できるといった具合で、自分のリスク許容度がどれくらいなのかを把握しておくのが重要です。  ただそうは言っても、自分がどれくらいの損失まで我慢できるかは、実際に投資を始めてみないと分からないと思う方も多いはずです。  そういう人は、まずリスクが高い商品から低い商品まで少額投資してみて、値動きを比べながら運用することで、自分のリスク許容度のイメージトレーニングをするのがいいでしょう。  運用を続けているとそれぞれの運用成績に差が出てくるので、高リスクの商品は低リスクの商品と比べてどんな値動きになるかを肌で感じて、投資に慣れることもできます。私はこれら3銘柄に月1,000円ずつ積立をしていますが、値動きに違いが出て分かりやすいと思います。  高リスク商品は、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)がおすすめで、先進国・新興国合わせて50カ国の3,000銘柄もの株式に手軽に分散投資ができます。ちなみに、全世界株式の中身の半分以上は現状、米国株が占めています。米国株はAppleやAmazonなど、今を時めくIT企業の牽引もあって人気が高いので、米国株のみで運用したいなら、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)を選ぶといいでしょう。  中リスク商品は、eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)という株式や債券、REIT(不動産投資信託)などでバランス良く構成されている投資信託がよく選ばれています。  ただ2020年のコロナショックの際、8資産均等型はREITの回復が鈍かったことで全世界株式以上に損失が大きくなった時もあったので注意しましょう。  低リスク商品は、三井住友・DC年金バランス30(債券重点型)がおすすめです。つみたてNISAでは債券のみで運用する投資信託を選ぶことはできないですが、この銘柄は債券が多めの構成になっているので、比較的値動きが安定しています。
NISA

※『これだけやれば大丈夫! お金の不安がなくなる資産形成1年生』より

 これら3銘柄に月1,000円ずつ、合計3,000円積立で6カ月ほど運用してみて、それぞれのリスクの違いがだいたい分かった後は、自分のリスク許容度を改めて考えた上で商品や積立額をアレンジしてみるといいでしょう。  つみたてNISAを今から始めておけば、時間を味方につけて老後資金を着実に用意していけますので、ぜひ試してみて下さい。 <文/小林亮平>
1989年生まれ。横浜国立大学卒業後、三菱UFJ銀行に入行。同行退社後、ブログやSNSでNISAやiDeCoなど資産運用の入門知識を発信。現在はYouTube「BANK ACADEMY」の運営に注力しており、YouTubeのチャンネル登録者数は70万人を超える。「超初心者でも理解できるよう優しく伝える」をモットーに、自作のイラストを駆使した丁寧な解説が好評を得ている。著書に『これだけやれば大丈夫! お金の不安がなくなる資産形成1年生』(KADOKAWA)がある
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これだけやれば大丈夫! お金の不安がなくなる資産形成1年生

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