更新日:2021年12月06日 18:52
エンタメ

M-1準決勝、人気コンビが続々敗退も「波乱ではない」と元M-1ファイナリスト

錦鯉

錦鯉

錦鯉

 4番手は昨年のファイナリスト「錦鯉」の登場である。最年長ファイナリストである「錦鯉」がどのコンビよりも熱い漫才を披露。そして、ついに「錦鯉」の実力者、ツッコミ担当渡辺君が刀を抜いてきた。凄みさえあるツッコミでどんどん笑いを作っていく。堂々の決勝進出である。

モグライダー

モグライダー

モグライダー

 5番手は関東の実力派コンビ「モグライダー」。とにかくこのコンビはどのコンビよりもツカミが早い。そして設定も面白くわかりやすく、準決勝初登場にして「錦鯉」を食う勢いのウケ具合だった。そして、決勝も決めてみせた。

さや香

さや香

さや香

 準決勝最後の登場が「さや香」である。M-1グランプリ2017ファイナリストの「さや香」もここ3年は準決勝すら上がれず苦しんでいた。そこで大きなリニューアルを敢行し挑んだこの大会で準決勝に戻ってきた。しかし、当日の観客はテンションが高く、前半からウケている。最後まで体力が持つかと気になっていたが「錦鯉」と「モグライダー」ですべてを使い果たした。後半もっとウケてもいいと思うところで反応が薄く順番にやられた印象だ。敗者復活戦の巻き返しに期待したい。  準決勝の会場である「NEW PIER HALL」に集まった観客のテンションは尋常ではなかった。この2年間、芸人たちは大勢の観客の前で漫才がしたいと願っただろう。そして、観客も漫才を観て大きな声で笑いたいと思っていたはず。その両者の鬱憤が爆発したような準決勝だった。  今回、初出場組が5組と多く選出され、常連組でテレビで活躍する漫才師が多く敗退する結果となった。僕自身が漫才師としてM-1グランプリに出場していた時代よりも芸人も多くなり、漫才自体も多様化した。  昨年の「漫才か? 漫才じゃないか?」論争を経て、多様化した異色漫才師たちを押しやすい状況になり、そんな異色漫才師たちもこのチャンスに牙をむき、人気者たちに立ち向かった。  これは波乱でも何でもない。すべて時代のせいにしてはならない。敗退した芸人たちよ! 次はお前らの番だ! 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます <文/ユウキロック 撮影/藤井洋平>
1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)
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