「1万円札が返ってこない!」客の“釣り銭返せ”詐欺、飲食店長はどう対応するの?――2021年ベスト10
2021年(1月~11月)、日刊SPA!で反響の大きかった記事ベスト10を発表。どの枠にもはまらない「ノンジャンル」部門の第3位は、2020年12月末の公開にもかかわらず2021年のランキングに食い込んできた、こちら!(初公開日 2020年12月28日 記事は取材時の状況)
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券売機のある飲食店舗で、ある問題が起きているようだ。それは利用客による「返金されない詐欺」である。券売機にお金を入れたのち、返金ボタンを押したがお金が返ってこない……という嘘をつき、店からお金をせしめるという手段の犯罪である。「犯罪」と呼ぶにはかなりセコい手口かもしれないが、これが店舗のスタッフや責任者に多大な負担をかけているという。今回は「返金されない詐欺」の実情を取材した。
「“返金されない”または“釣りが出てこない”とスタッフに要求する客は、必ず2パターンに分けることができます。我々を騙してお金を手に入れようとする人と、うっかりや勘違いでそう要求している人です」
そう話すのは、都内の有名飲食チェーン店で店長を務める30代男性Aさん。Aさんの店では、先日も「券売機に入れたお金が返金されない」という客からの要求があったとか。
「悪意を持ってそう言ってくる人は、殆どが若い人です。高校生とか、大学生とか……。彼らは必ず忙しい時間帯を狙ってきます。スタッフが忙しくて、とにかく早く目の前の問題を片づけたいという心理を狙ってくるわけです」
飲食店の稼ぎ時と言えば、昼飯時と夕飯時。悪意ある客はその時刻に照準を当て、「1万円札を券売機に入れたけど釣りが返ってこない。もうすぐ予約した新幹線が出るから早く金返せ」と要求する。
「日本の接客業は、最初から客を疑うことはしません。“お客様は本当のことをおっしゃっている”という視点から外へ踏み出してはいけないのです。ですから、まず券売機の履歴を確認します。その後、客に履歴を見せて“これはお客様の思い違いではないでしょうか”と丁寧に説明します。まあ、その客が悪意を持ってやっているということくらいはすぐに分かるのですが」
「新幹線に乗り遅れるから早く返金しろ!」
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