仕事

「業務経験がないなら勝手に学んでしまえばいい」独学したスキルを転職で活かす方法とは?

「希少性」と「珍しい」を間違えない

 ただし、何かを学ぶ際には「奇をてらった人」に、ならないようにしましょう。転職を通じて市場価値を上げていく一連の活動は「自分に値段をつけて売却する行為を繰り返すプロセス」とも言えます。  そして、その一環として自分の価値を表すキーワードを言語化し、それらを「かけ算」することで、独自のポジションを模索します。  ただ、かけ算をする前に、今のスキルや実績が、「誰の困りごとを解決できるか」を考えてみてください。 誰かの悩み事が解決できるなら、きっとお金を払ってくれる人が現れます。反対に、誰の悩み事も解決できないのなら、かけ算する要素としては価値がありません。つまり、そこに「お金を払う価値」があるかどうかを想像してみるのです。  普段の仕事のなかで「お金の流れ」を観察してみてください。あなたの職場でも、業務委託として外注する人や取引先の会社がいるはずです。なぜその人や会社にお金を払うのかといえば、程度の差はあれ、何かしら価値がある仕事をしてくれているからです。  実際に動いているお金の流れを観察してみると、企業が「どんな人やスキルにお金を使うのか」という実像が見えてきます。「お金を支払う価値」を無視してしまうと、「希少性」と「珍しさ」をはき違えてしまい、ただ奇をてらっただけの残念な人になってしまいます。希少性とは「需要の高さに比べて、供給が少ない」ということであり、単に珍しいという意味ではありません。  市場とは常に、需要と供給とのマッチングなので、「喜んでお金を払う顧客」がいることが第一条件です。需要がなければ、それは価値のないただの「珍種」です。珍しいから価値があるのではありません。価値がある人材が、珍しいのです。 <構成/秋山純一郎>
早稲田大学卒業後、リクルートや新規サービスの立ち上げを経て2013年に株式会社ビズリーチに入社し、求人検索エンジンの開発を担当。2016年から株式会社メルカリでJP/USの検索アルゴリズム改善やAI出品機能を開発しHead of Data/AI/Searchとしてエンジニア組織を統括。2020年からスマートニュース株式会社でテクニカルプロダクトマネージャーとしてダイナミック広告の開発をリードしつつ、メルカリShopsを開発・運営する株式会社ソウゾウを支援。SNSでは「たいろー」名義でテック業界の動向や転職、キャリアに関する自身の考え方を発信し、人気アカウントになっている。初の著書『Work in Tech!ユニコーン企業への招待』が発売中。Twitter/@tairo、Voicy/「ユニコーン転職ラジオ

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テクノロジーに殺されない、働き方&キャリア実践論


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