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阪神はいつまで「バースの再来」を期待するのか。大スターと比較される新外国人選手の辛さ

過去の外国人選手がハズレばかりだったワケでもない

 あまりにもバースの再来という言葉が強すぎて、結果を残せなかった外国人は批判の嵐となってしまう阪神だが、バース以降に在籍した阪神外国人打者が全員ダメだったかというと、もちろんそんなことはない。  1993年に首位打者を獲得したトーマス・オマリーや、最近でも2年連続最多安打を記録したマット・マートンなど、しっかり結果を残した外国人打者だっているのである。それなのに彼らが「バースの再来」と言われていないのは、「三冠王」と「日本一」の同時達成というレアにもほどがある条件を満たすか、それに近い結果を残さねばならないのだろう。これだけでも当時のバースがいかに神がかり的な活躍をしていたか、そしてどれだけ阪神ファンに愛されていたかがわかる。ただ、バースと同じレベルの活躍とインパクトがないとこの言葉がなくならないのなら、もはや日本一になるまでの呪いのような言葉にも聞こえてしまう。

「バースの再来」を終えるには日本一になるしかない

 改めてランディ・バースが阪神のみならず日本球界において偉大な打者だったために、「バースの再来」というワードが一人歩きしていることがわかる。圧倒的な打撃力をもつ外国人がチームを引っ張らなくてはいけないという「バースの再来」。しかしネタにもなってしまった現在、コレを終わらせるには「バース級の外国人がいるかいないか」ということよりも、阪神が2度目の日本一になることのほうが早いのかもしれない。  バースのような外国人がいなくても日本一にさえなれば、圧倒的な神を待ち続ける習慣から脱することができるのではないのだろうか。そう、チーム全員で「バースの再来」を達成するのだ。3年連続Aクラス入りしている阪神にとって、そのチャンスは今年なのかもしれない。 文/佐藤永記
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright
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