更新日:2022年02月21日 16:22
スポーツ

2022年プロ野球「延長戦に弱すぎる巨人」は延長戦復活でどうなる? データを検証する

 今シーズンから復活するプロ野球の延長戦について、前回の「復活した延長戦の影響」について取り上げたが、今回はその続編として「延長戦で強かった球団」について数字で見ていく。  昨年は延長戦なしであったが、2020年は延長10回まで、それ以前は12回まで延長があった。そこで、2018年から2020年までの直近3年での延長戦結果を集計し、延長戦に強い球団・弱い球団を洗い出してみようと思う。過去の成績通りになるのか? それとも今年は違った野球を見せるのか、比較情報として楽しんでもらいたい。

延長戦の割合が高い広島

プロ野球

写真はイメージ

 まずは2018年から2020年まで全試合のうち延長戦に突入した割合から見てみよう。 <延長戦突入率> 広島    12.8% オリックス 11.6% ヤクルト  11.3% 楽天    11.1% ロッテ   10.6% 阪神    9.6% 西武    8.4% DeNA  8.1% ソフトバンク7.9% 中日    7.9% 日本ハム  7.9% 巨人    7.6%  トップは広島の12.8%で、一番割合の低い巨人の7.6%と比べるとほぼ倍の差となった。広島は2019年に集計3年のうち全球団で最多となる21試合の延長戦を戦っている。  佐々岡監督に変わった2020年も同年で2番目の多さとなる16試合を延長戦とした。だが、昨年は引き分け数が12球団で2番目に少ない12試合。9回で終わるルールだった昨年は決着をつける動きに変わっていたが、今年はどちらのスタイルになるだろうか。

延長戦引き分け率 トップは意外な球団が

 つぎに、延長戦に突入後、勝敗がつかず引き分けになった試合の割合を見てみよう。 <延長戦引き分け率> 巨人    48.4% 日本ハム  40.6% オリックス 40.4% 阪神    38.5% DeNA  33.3% 広島    32.7% ソフトバンク31.3% 楽天    31.1% ヤクルト  30.4% 中日    25.0% ロッテ   20.9% 西武    20.6%  トップは巨人の48.4%。延長戦に突入した場合、ほぼ半分は決着をつけられずに試合が終了していることになる。象徴的なのは2020年。延長戦9戦で引き分け決着が8試合に及んだ。この影響で数字が突出したのだが、延長10回までの1イニングしかないシーズンで一気に増えたものなので、12回までとなる今年はここまで突出はしないかもしれない。ただ、逆に心配になる数字がこの後出てくるのだが……  もっとも引き分け率が低かったのは西武、僅差でロッテが続く。西武は2020年の延長戦5戦のうち引き分けが4試合と多めだったが、延長12回制だった2018年、2019年での引き分け決着が圧倒的に少なくなっていた。延長が3イニングあれば、自慢の打棒で勝ち切るか、不安な投手陣で負けるかの決着がついていたのが西武の特徴だ。
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延長線の勝率はいかに
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公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright

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