スポーツ

プロ野球監督の平均在任期間は3.5年。理想の監督年数はあるのだろうか

 今年は3人の新監督となった日本プロ野球だが、一方で10年監督であった日本ハムの栗山英樹氏が日本代表監督に就任したように「長期政権」となる監督もいれば、1年で監督が変わる場合もある。実際のところ、プロ野球の監督は何年で交代するのが理想であるか気になるところだ。

4年以上なら長期政権とされる

野球

写真はイメージ

 まずは平均からみてみよう。球団合併のあった2004年では強制的な監督交代があったので、2005年から今年までの開幕時監督で集計した。この期間の監督は12球団のべ56人となるのだが、在籍年数の平均を計算したところ「3.56年」となった。つまり、4年以上監督を勤めれば長期政権といってよいのが近年のプロ野球だといえよう。

就任1年目から結果を出すのは厳しい

 つぎに、就任1年目ですぐに結果が出せるのか? 2005年から2021年までで監督が1年目だった例は監督総数と同一の56件となるが、リーグ優勝は6件、Aクラス入りが21件となり、優勝率は10.7%、Aクラス率は37.5%と少々辛い数字となった。やはり1年目で好成績を出すのは簡単なことではなく、フロントのバックアップが必要であることは間違いない。  ちなみに就任1年目での最下位は12件あり、21.4%となった。ただ、この12件の内訳はヤクルト1件、横浜3件、オリックス4件、楽天4件と偏りがあり、俗に暗黒時代といわれたことのある球団が名を連ねてしまった。  チームの悪循環を監督交代で打開しようとするも、そもそも戦力的な問題を抱えている場合があり、しかも最下位によって単年で監督交代が発生することで次なる監督初年度最下位を生み出してしまっていた。もちろん内部の事情もあるので簡単にはいえないが、全体的な結果を見る限りは「1年で監督の能力を評価するのは酷である」といえよう。
次のページ
監督の力は2年目から!?
1
2
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright

記事一覧へ
おすすめ記事