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資産は最低3億円以上…富裕層だけが買える有利な金融商品とは

最低でも4億円程度の金融資産が求められる「プライベートバンク」。「2年で3.4倍になったヘッジファンド」や、低リスクながら「15年で4.8倍になる貯蓄型保険」など、日本では金融規制の壁で購入できない商品も海外のプライベートバンクにはあるという。

資産は最低3億円以上!富裕層だけが買える有利な金融商品とは?

プライベートバンク

HSBCやシンガポール銀行など、アジアの金融機関もプライベートバンクに注力する

 顧客から預かる資産に「最低預入金額」が設定されている「プライベートバンク」。謎に包まれた存在だが、香港でプライベートバンカーとして活躍するウェルズ・グローバル・アセット・マネジメントCEOの長谷川建一氏によると、「アジア系大手金融機関のプライベートバンク部門やスイス系ブティックプライベートバンクでは300万米ドル程度(約3億9000万円)が最低預入金額の目安となっている」という。 「プライベートバンクでは資産の運用をサポートしたり、資産の保全や次世代への承継に備えて対策や仕組みを構築したりもします。資産に関すること以外にも、富裕層ならではの特殊なニーズに対応し、グローバルなネットワークを駆使した特別なサービスを提供するところもあります。日本の金融機関と海外プライベートバンクの大きな違いは、投資商品の種類。日本では金融規制の壁で販売できない商品も、海外では取り扱っている場合があります」

「絶対リターン」を追求するプロ集団のファンド

プライベートバンク

長谷川建一氏

 実際、海外プライベートバンクにはどんな商品があるのか? 「その代表が『ヘッジファンド』でしょう。ほかにも、上場株式や債券といった伝統的資産以外の新しい対象に投資する『オルタナティブ投資』や、ベンチャーキャピタルやバイアウトファンドをはじめとする未上場株に投資する『プライベート・エクイティ投資』、中東・アフリカ地域を中心に一般的な新興国投資でカバーされないさまざまな国に投資する『フロンティア投資』など、非常に広い投資機会を得ることができます」  ヘッジファンドとは、機関投資家や富裕層から集める私募ファンドのこと。デリバティブやロング・ショート戦略などを駆使して高い収益を狙うものなど、さまざまな運用手法のファンドがある。近年ではクオンツやAIにより新しい戦略を見つけ出すアプローチも盛んに行われている。  長谷川氏は「一般のファンドはベンチマークを上回る成果を目指すのに対し、ヘッジファンドでは『絶対リターン』を追求する点が大きく異なる」と説明する。 「一般のファンドではベンチマークとする株価指数が10%下落するなかで値下がりが5%にとどまれば『良好な運用成績』として評価されます。しかしそれは相対的によかっただけで、値下がりして損失を被っていることに違いありません。そこでヘッジファンドでは、どんな相場環境でもプラスのリターンを目指すものが多いのです」
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富裕層のみが受けられる恩恵
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国際金融ストラテジスト。シティバンクなどのプライベートバンク部門を経て、’13年に香港で起業。富裕層向けに資産運用サービスを提供するウェルズ・グローバル・アセット・マネジメントCEOを務める。5月28日に著書『世界の富裕層に学ぶ海外投資の教科書』が発売

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