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資産は最低3億円以上…富裕層だけが買える有利な金融商品とは

富裕層のみが受けられる恩恵

 大きく上昇した一例として、「クオンツ・グローバルマクロ」に分類されるファンドのパフォーマンスを紹介する。このファンドは、データ解析による数理的分析に、AIを使ったトレーディングリスクの分散化、マーケットの歪みを収益機会とする裁定取引で収益を積み上げている。 「期待リターンは年率18~25%(過去5年間の実績に基づく)で、’20年3月31日からの2年でのリターンは243.6%にも上ります。規模拡大により収益パフォーマンスは今後ややマイルドになるでしょうが、ハイリスク・ハイリターンの商品もあるのです」
プライベートバンク

「クオンツ・グローバルマクロ」に分類されるとあるファンドでは、年率18~25%が期待される中、この2年で243.6%になったものもある

 ヘッジファンドのなかにはこのような驚異的なリターンを達成するものもあり、プライベートバンクを使っている富裕層のみがその恩恵を受けている。  また、米ドル建てでは予定利率が年4%程度の保険商品は香港には複数あるという。年率4%というと一見地味かもしれないが、18年間複利で運用すれば、元本は2倍になる。

<ケーススタディ1>15年で4.8倍の貯蓄型保険

 年50万ドルの保険料を2年間、合計100万ドルを支払う保険があるという。加入時に保険料全額を一括前納することで割引を受け、保険料は約94万ドルで済む。  この保険には解約したときに戻ってくる「解約返戻金」があり、この時点では約77万ドルしかない。早期に解約すると元本割れしてしまうが、満15年経過時点の解約返戻金は約196万ドルもらえる。つまり15年で2倍超、利回りは5.03%になる。 「しかも、借入によって手元資金を確保しつつ、利回りをさらに向上させることもできます。金融機関からは解約返戻金の95%にあたる額を借り入れることができるので、保険加入時点で約73万ドルを借り入れれば、実質21万ドルでこの保険商品を購入したことになります。この状態で満15年経過時点に解約すると、金利を加えた借入金の返済額は約95万ドルに対し、約196万ドルの解約返戻金を受け取れるので、差し引き約101万ドルが手元に残ることになります」  つまり、保険加入時に負担した約21万ドル(約2730万円)で約101万ドル(約1億3130万円)を受け取れるので、15年で4.8倍にもなるというわけだ。
プライベートバンク

加入時に約94万ドルを払い、満15年経過時点に約196万ドルもらえる。保険を担保に融資を受けると、実質約21万ドルで保険を購入し、返済などをして差し引き約101万ドルが手残りする高利回り保険となる

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タダ同然の13億円死亡保障!?
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国際金融ストラテジスト。シティバンクなどのプライベートバンク部門を経て、’13年に香港で起業。富裕層向けに資産運用サービスを提供するウェルズ・グローバル・アセット・マネジメントCEOを務める。5月28日に著書『世界の富裕層に学ぶ海外投資の教科書』が発売

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世界の富裕層たちはいかにして富を増やしているのか?

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