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線状降水帯「的中率は3、4回に1回程度」。予測を受けて備えるべきこと

雨雲レーダーとお友達に

 具体的にどう行動すべきなのか。50%の精度を頼りに避難するか判断すべきものなのか。 「私はよく『雨雲レーダーと友達になりましょう』と言っています。予報が出た時は、1時間に1回程度は雨雲レーダーを見るようにしておくと、実際に線状降水帯が発生したかわかります。私はYahoo!の雨雲レーダーを使っています」  実は筆者も、洗濯するかどうかの判断などに雨雲レーダーを利用していて、自宅周辺に何時頃に雨が降るかを見ている。しかし、その画面を千種氏に見てもらうと不足している部分が見えてきた。私は自宅から直径10kmほどの範囲を画面に表示して使っていたのだが……。 「もっと広い範囲で見た方がいいですよ。東京にお住まいなら、線状降水帯の発生予報が出た時は、関東全域が入るくらいですね。そうでない時も、山手線がすっぽり入って余裕があるくらい(直径約20km)にすると、天気の変化が見えます」
雨雲レーダー

Yahoo!天気の雨雲レーダー。筆者は直径10kmで利用していたが…

雨雲レーダー千種さん

千種氏は直径20kmに拡大することを推奨(画像はYahoo!天気)

ゲリラ豪雨発生時の雨雲レーダー(画像はYahoo!天気)

 精度が低いと、“予測が発表され、避難したが何も起こらなかった”というシチュエーションが多発することが考えられる。そうなると、予報を信用しなくなってくるリスクはあるように思えるが、その点についても千種氏の意見を聞いた。 「的中率が低いということは、裏返すと『予報が出ていなくても発生する』ということにもなりますよね。過去3年間の検証では、予測できないまま発生してしまった『見逃し』と言われる線状降水帯も複数回発生しています」  そうなると、予報が出ても出ていなくても気をつけなくてはいけなくなるが、生活もあるためそうも言ってられない。なにか、判断基準にできるものはないのだろうか。 「線状降水帯の予報が出ていなくても、降水量150mmをこえる予報が出ている場合は、災害に発展する可能性があります。気象庁は24時間単位で発表をしますが、いずれの場合でも『150mm以上は注意』と思っておくと間違い無いと思います」  何より身の安全が最優先。そのために発表されることになった線状降水帯の予報は、一つの指針として重要だ。しかし、未だ精度が高く無い現在、私たち個々の判断が命を守る結果に繋がることになりそうだ。「150mm以上は注意」の基準は頭の片隅に置いておきたい。 ※公開時に誤りがあり、「的中率は34回に1回程度」を「的中率は3、4回に1回程度」に修正いたしました。ご迷惑をおかけいたしましたことを、深くお詫び申し上げます。 <取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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