スポーツ

プロ野球2022“コスパ抜群”プレイヤー<パ・リーグ編>年俸2000万円台で上位成績

球界最高年俸はマー君の推定9億円!

 プロ野球選手といえば日本のスポーツ界では破格ともいえる高額年俸をもらっていることは有名だ。2022年の選手全体の平均年俸は4312万円で過去最高を更新(プロ野球選手会調べ、外国人選手除く)。また、個人年俸ランキングでは田中将大投手(東北楽天)が推定9億円(以下、金額はすべて推定)でトップ、続いて柳田悠岐外野手(ソフトバンク)の6億2000万円、坂本勇人内野手(巨人)らの6億円と続いており、1億円以上の年俸をもらうプレイヤーもセ・パ合わせて100名近くいるほどだ。
田中将大

画像は、YouTube「マー君チャンネル 田中将大」の動画「【本人解説】めげそうな時もある。でも目を逸らさず、 乗り越えられる」より

 そんななか、昨シーズンまでは活躍することができず低年俸に甘んじながらも、今シーズン前半戦は高額年俸プレイヤーを凌駕する活躍を見せている選手たちが存在する。  そんな“コスパ抜群”ともいえる選手たちの躍進ぶりとその要因について、『球辞苑』(NHK-BS1)でもおなじみの野球ライター・キビタキビオ氏の意見を交えながら紹介していく。今回はパ・リーグの選手をピックアップ(記事は前後編の前編)。

“帝京魂”で打ちまくる右の安打製造機・松本剛

 まず、最強コスパ選手として真っ先に名前が挙がるのは、プロ11年目にして打率.360(7月11日現在、以下同)をマークしてパ・リーグの首位打者に堂々と君臨し、オールスター出場も決めた帝京高校出身の松本剛外野手(北海道日本ハム)だろう。  彼の年俸は2050万円。今年日本ハムにドラフト1位で入団した達孝太選手が推定1000万円ということを考えると、11年目にしてはかなり安い年俸と言える松本だが、打率の高さはもちろん、盗塁数も現在リーグ2位と申し分なしの活躍ぶり。打撃センスと思い切りの良さには定評があったものの、レギュラーを掴めずにいた彼がコスパ以上の活躍をしている要因は何なのだろうか。キビタキビオ氏はこう分析する。 「“BIGBOSS”新庄剛志による新体制になったことで、若手や伸び悩んでいた選手の積極的起用に路線が切り替わったことが本人のモチベーションアップに繋がったのでは? その影響もあってか、松本の開幕直後1カ月ほどの一塁ベース駆け抜けタイムを見ると右打者としてはパ・リーグトップの3秒94というタイムを記録。過去のデータではそれほど速くはなかったのですが、今年に賭ける意気込みが全力疾走に反映されているのかもしれません」(キビタキビオ氏、以下同)  BIGBOSS・新庄に初球からガンガン振っていくことを貫くことを助言されたことも大きい松本。全力疾走などのアグレッシブな姿勢を忘れなければ、首位打者獲得も夢ではなさそうだ。また、日本ハムでは現在パ・リーグ打率5位で上位打線を担っている野村佑希(2000万円)をはじめ、清宮幸太郎(1700万円)万波中正(900万円)らも粗削りながら長打を量産しており、コスパの良い選手がそろっている。
次のページ
千賀に次ぐ“育成の星”を目指すソフトバンク
1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ