タレントやアイドル、一般人問わず気軽にスマホやパソコンからライブ動画配信をできるアプリが人気を博している。そんなライブ配信アプリの多くはいわゆる“投げ銭”や“アイテム”を通じて課金をすることが可能で、その収益によって生活している配信者、通称ライバーも少なくない。 　そんなライブ配信業界で“1億円を稼いだ”伝説のライバーとして知られているのがインフルエンサー・タレントにして経営者でもある美女・福岡みなみだ。配信アプリでの成功談を綴った著書『ライブ配信で1億円稼いだ話』（幻冬舎）を発売してメディアでも話題の彼女が、いかにしてトップ配信ライバーにのぼりつめたのか、その経緯を赤裸々に語ってくれた。（記事は前後編の前編） ——“理系大学出身”のタレントとしてインパクトのあるデビューを果たした印象が強いのですが、そもそも芸能界に入ったきっかけは？ 福岡みなみ（以下、福岡）：広島出身で東京理科大学に入学することが決まって上京したんです。でも、学生時代は芸能界に興味はなくて普通に遊んでいるだけだったんですが、卒業する間際にスカウトをしてもらったんです。全く就職活動もしていなかったので、ちょうどイイかもと思って。 ——就職活動をしていなかったんですね。当時、やりたいことはなかったんですか？ 福岡：実は社会人の彼氏と同棲していて「結婚して養ってもらおう！」と思っていたんです。ただ、彼から「芸能のお仕事をされるのは困る」と言われちゃって、別れることになり……。それで一人になり、自分を見つめ直したときに「せっかくだし自分で何かやりたい！ 私ならイケるんじゃない？」と思い、芸能の道に進みました。 　入学する前から「東京理科大学」の経歴は使えると思っていたんです。東大や早慶といった有名大学ほどの偏差値はないですが、賢そうに見える大学じゃないですか？ それに、理系の女子ってだけでインテリ感が増すし。そういう考えはありました。 ——なるほど。高校時代から戦略家だったんですね。他に高校時代にやっていたことは？ 福岡：自分で作戦を立てるのは昔から好きでしたね。ただ、集団行動は苦手でした。バレエは習っていたんですが部活動のようなチームでやるモノが特にダメで。学校生活での集団行動もいつも周りからハミ出していたと思います。 ——福岡さんらしいエピソードですね。デビュー早々から芸能活動が軌道に乗っていたなかで、ライブ配信をスタートしたきっかけは？ 福岡：コロナ禍に入ったのが大きかったです。グラビア活動は順調だったんですが、コロナの影響で新規の撮影が無くなってしまったんです。 　テレビもちょくちょく出ていたのですが、ソーシャルディスタンスで出演するタレントも限られるようになり、私のような新人タレントはなかなか出番がなくなって……。「あれあれ？ 私どうなるの？」と思っているときに、自分で発信できるメディアを持とうと思って、配信アプリの『Pococha』を始めたんです。 ——数あるライブ配信アプリの中で『Pococha』を選んだのは？ 福岡：自宅の家賃すら払えていない状況が悔しくて。当時の事務所に薦められたのもありますが、『Pococha』にはコインやアイテムを使ってライバーを金銭的に支援してもらえる仕組みがあったからですね。どうしてもYouTubeやSNSなどは登録者やフォロワー数が多くないと収入に繋がらなかったので。私はSNSをやっていなかったし、すぐに収入を得られる『Pococha』に一番魅力を感じたんです。 ——初めてライブ配信をやってみたときの感想は？ 福岡：相手が見えるワケでもなくて地味だし、つまらないなぁというのが本音でした。ただ、他にやることもないので毎日コツコツやっていくうちにランク上位になったんですよ。 　そうなってくると「1位になってみたい！」という欲が出てきて。最初は遊び感覚に近かったと思います。でもこの中でトップになれないなら芸能界でも社会でもトップになんてなれないという“負けん気”も出てきたんです。 ——昔から「おしゃべり」だったり、トークは好きだったんですか？ 福岡：うーん。おしゃべりかは分からないですけど、「変わった子」とは思われていました。学生時代からお金の価値観も異常だったし、「面白い」とか「見たことないタイプ」とは言われていたかも。そういう部分はライブ配信でも、個性として生きたかもしれないです。 ——負けん気みたいなものは性格として持っていた？ 福岡：そうですね。「ヘラヘラしている人が嫌い」というか、漠然と生きていくのがイヤというか……。やるからには中途半端では終わりたくないという性格ではあったかな。