デジタル

2022年上半期、ヒットしたゲーム6本と売れた理由。発売2か月で1000万本超え

「刀剣乱舞」の醍醐味を堪能できる異例のコラボ

『刀剣乱舞無双』 Nintendo Switch、STEAM/EXNOA/2月17日発売
刀剣乱舞無双

発表時、異例のコラボとして話題を呼んだ『刀剣乱舞無双』公式サイト

 ゲーム雑誌の統計で同週発売の『ホライゾン Forbidden West』を抑えて週間セールス1位になったことから、一部SNSで盛り上がりを見せた『刀剣乱舞無双』。2015年にスタートし、いまだに根強い人気を誇っている刀剣育成シミュレーション『刀剣乱舞』と、おなじみの『無双』シリーズがコラボした3Dアクションです。 <ヒットの理由>  ヒットの理由は、クオリティの高い3Dグラフィックとフルボイス。オリジナル作が支持される理由である登場人物の魅力を丁寧に再現しています。『無双』シリーズがアクションゲーム初心者にも遊びやすいというのもポイントのひとつ。『無双』シリーズは今後、キャラクターの魅力を活かす器として、従来以上に存在感を高めていきそうです。

シミュレーションRPGの新たな名作

『トライアングルストラテジー』 Nintendo Switch/スクウェア・エニックス/3月4日発売
トライアングルストラテジー

重厚なシナリオに評価が集まった『トライアングルストラテジー』公式サイト

 はっきりとした本数は発表されていませんが、新規のオリジナル作であり、シミュレーションRPGというコア層向けのジャンルながら、まずまずの健闘が伝えられている『トライアングルストラテジー』。戦乱のノゼリア大陸を舞台に、陰謀が交錯する三国の争いに名家の嫡男である主人公のセレノアが巻き込まれていきます。  クォータービューの見下ろし型3Dマップや、信念を問われる物語分岐など往年の名作『タクティクスオウガ』へのオマージュが強く感じられるタイトル。本作のリリース後には、スクウェア・エニックスが『Tactics Ogre: Reborn (タクティクスオウガ:リボーン)』という商標登録を出願していたこともわかり、話題になりました。 <ヒットの理由> 『タクティクスオウガ』は「週刊ファミ通」に歴代ゲーム人気投票ランキングに長年ランクインを続けてきた偉大な作品。この『タクティクスオウガ』を彷彿とさせる、倫理観を鋭く問う骨太なシナリオが好評でした。過去のヒット作をどう活かすかはセンスが問われるところ。ベタ移植でもリメイクでもなく、リスペクトをもってエッセンスをうまく活かした好例ではないでしょうか。  このほか、『eBASEBALLパワフルプロ野球2022』も、KONAMIの公式リリースによると6月には累計出荷本数50万本突破と手堅くヒットしました。『ポケモンレジェンズ アルセウス』『エルデンリング』が突出して高いセールスを記録したものの、世界がウィズコロナに舵を切り、ゲーム業界的にはややリアルな娯楽に押されている印象です。  とはいえ、下半期には『スプラトゥーン3』『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』『スターオーシャン6』『ドラゴンクエストX オフライン』『ソウルハッカーズ2』など期待の大作も控えています。<文/卯月 鮎>
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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