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中古で購入したSDカードから大量の家族写真が…フォーマットしても不十分

記憶媒体を中古で売るときの危険性

 SDカードやUSBメモリなど、今では1TBを超える大容量記憶媒体も増えてきており、今では容量の少ない記憶媒体が大量に残っているなんて人もいるかと思います。古い機種だから大容量が使えなかったり、ちょっとしたデータの受け渡しに使えるからまだまだ現役と思っている人もいる事でしょう。 「使わなくなった記憶媒体を捨ててしまうにはもったいない」という思う人が多いためか、ネットオークションやフリマサイトなどでは、中古記憶媒体の取り引きも盛んに行われています。  こういった中古取り引きで気になるのが、保存した過去のデータです。家庭で使う分には、スマホやパソコンなどで初期化をするだけで以前のデータが消え、あたかも新品のように見える状況になります。しかし実際にはフォーマットだけではデータは消えておらず、スマホやパソコン上からデータが見えない様になっているだけなのです。  この状態で取引を行ってしまうと、ちょっと詳しい人には簡単に復元されてしまい、過去に保存したデータが流出してしまう危険性も。  USBメモリ紛失事件などは度々起きており、管理問題が問われる結果となる事も多いですが、実は中古売買からデータの流出が起こる可能性もあります。  という訳で、どの程度が危険を感じず中古取引を行っているのか確認すべく、ネットオークション・フリマにて無作為に中古の小型記憶媒体を購入し調査してみました。

実際に消された写真が復元できてしまうケースも

 購入した記憶媒体はSDカード、USBメモリを各10個、あわせて約20個ほど。  4GBや16GBなど今となってはやや容量の少ない小型記憶媒体で不要になり売りに出したと思われる物から、大容量を購入してみたけどそんなに使わないので売りに出したといった様な物まで様々な容量の記憶媒体が出品されています。  また、出品者も業者・個人問わず購入し、フォーマットの状況を確認してみました。
USB画像

今回購入した20個の記憶媒体。128GB以下のSDカードやUSBメモリを購入してみた

 流石に、データが残ったまま中古販売されている記憶媒体はありませんでしたが、フォルダ名などが残ったままのSDカードが6個ほど見受けられ、デジカメ等で使われていたのが判る状況でした。  こういった中途半端なSDカードはやはり機器でフォーマットしただけのようで、フリーソフトのデータ復元ソフトを使うだけで簡単に撮影データが復元されてしまい、いかがわしい写真こそ無いものの、家族旅行や風景写真、ペット写真などが多数出てきました。
SDカード画像

SDカードでは写真が多数復元できたものが多い(画像には筆者がモザイク処理を施した)

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企業の書類情報が復元できてしまうケースも
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テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク

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