──YouTubeではゲーム実況の生配信もしていますし、Discordも使っていて、ファンの方との「ライブ感」のあるやり取りが好きなんですね。 後藤：そうなんです。YouTubeやDiscordのようなツールがなかった時代も、ファンやオタの子たちがライブにいつも来てくれたり、移動のときに顔を出してくれたりして嬉しかった。ツールを使ったコミュニケーションは、今の時代の楽しみ方って感じですね。 ──「ファン」と「オタ」という言葉が出ましたが、後藤さんの中でそれぞれ違いがあるんですか。 後藤：私が「オタ」と思っている人たちは「いつでもどこにでも来てくれる、いつも顔を見せてくれる人」というイメージ。私にちゃんと存在感を示してくれる人が「オタ」って感じがします。 ──最近後藤さんを好きになってくれた人たちは「ファン」に当てはまる人が多いですか。 後藤：オタみたいにいつも隣にいるような感覚ではないけれど、私のやることや発信するコンテンツにすごく興味を持ってくれて、実はちゃんと見てくれているのが「ファン」かな。 いつもそばにいて私からも見えているのが「オタ」で、同じようにそばにいてくれるんだけど、普段はそれぞれの生活をしていて、何かあればワッと集まってくれるのが「ファン」という感じがします。存在感の種類が違うってことだと思う。 ──後藤さんにとっては、どっちも必要な存在ですか。 後藤：そうですね。オタがいると現場の空気感が面白くなるし、オタがいてくれることでファンも楽しみ方がわかって盛り上がってくれるし。 ──そう言ってもらえるたら、オタの方も嬉しいと思います。 後藤：ふふふ（笑）。 ──後藤さんは色んな活動をしているので、何しているときが一番楽しいのかなって気になっていて。 後藤：歌手活動、YouTubeなどなんでも「やりたいことができているとき」が楽しいなと思います。でも、歌のお仕事もそうなんですけど、やる前は「ちゃんと歌えるかな」「どうやって歌おう」っていうプレッシャーもあったりするんですよ。 ──のびのびと楽しそうに歌っているように見えるのに。プレッシャーがあるのは意外です。 後藤：素直に楽しそうに歌って見えるかもしれないけど、実際はすんごく考えているんです。だから、「楽しい！」ってなるまでの道のりが難しいなと思うんですよね。「歌ってみた」でいうと、スタッフさんが提案してくれる曲の場合は、そのときに初めてフルで聴くこともある。 「カラオケで歌っていて超イイ感じだから、歌ってみよう！」とかじゃないんですよ。なので、覚えるスピードも必要だし、披露する場がすぐに来るじゃないですか。本番がどんどんやってくるので、結構プレッシャーです。 ──この曲は難しかったと印象に残っている曲はありますか。 後藤：うーん…倖田來未さんの『Moon Crying』は、カラオケで昔歌っていたのに、いま歌ってみるとすごく難しかったです。 ──それは、自分の声のキーが変わったとか？ 後藤：それもたぶんありますし、発声の仕方が昔と変わりました。低い声を強化すると、高い声が出にくくなる時期があったりもして。正直、今は高いキーは自分の中ではキツイんです。でも、聴いている人がちょうどいいと思うのは私の高いキーの声なのかなと思っていて。 ──自分の曲や、過去に歌っていた曲をセルフカバーする場合も、当時と違う感覚があったりしますか。 後藤：良い意味で、ハローにいた頃は私の発声がまだしっかりできていなかったので、昔は高い声もキンキンで出せていたんですよ。だけど、今は発声の仕方を変えたので、抑揚や歌詞の意味の伝え方も自分の納得いくやり方ができているように思います。無理やり声を出す、ということをやめたからこそ、高いキーを出そうとすると「キツイ」と感じるのかもしれません。 ──変化であり、成長を感じる部分でもあるわけですね。 後藤：歌の他に楽しいことでいうと、ゲーム実況動画を撮るのはやっぱり面白いです。生配信をすることもあるんですが、見てくれるのはほとんどファンの子。でも、「ゲームのファン」の人が見に来てくれることもあって、ゲームを通して好きになってもらえたりすると嬉しいです。Discordでは見かけない人たちが、生配信のときだけは顔を出しに来てくれるんですよ。そういうのを見ると「なんかちょっとオモロ嬉しいな」と思って楽しんでるところはあります。 ──ただゲームが好きなだけなら、配信やゲーム実況をする必要ってないじゃないですか。それでも配信するってことは、配信、実況の独特な楽しさがあるという。 後藤：そうですね、通常の収録よりも、生配信のライブ感がやっぱり好きです。