更新日:2022年12月07日 18:55
仕事

モンスター新入社員の特徴。注意をしたら「パワハラだ」「訴える」対策はあるのか

人格否定はせず“事実”にフォーカスする

アドバイス たとえば、若手社員が遅刻をした際、「遅刻をすると周囲に迷惑がかかるから次からは気を付けてね」は遅刻そのものを叱っているのでOK。しかし、「遅刻、何回目だよ。馬鹿じゃないの?」は人格否定にあたるのでNGとのこと。  人ではなく、注意しなければならない“事実”にフォーカスして話をすることが大切なのだ。  また、口頭とメールのどちらで注意すればいいのか迷うこともあるかもしれない。 「ケースバイケースではあるものの、基本的に文章はテンションが伝わりづらいこともあり、キツく捉えられてしまう恐れがある。できれば口頭で伝えた方が安全でしょう」  加えて、のちのち何か大きな問題になった場合に備えて「指導記録」として、いつどのような注意をしたのかメモ程度で構わないので記録しておくといいという。 「最近の若者はこっそりと会話を録音していることもあります。こちらに非がなければいくら録音されていても全く問題はありませんが、人間はどうしても感情的になると口調が強くなってしまいがちです。注意をするときは勢いで言うのではなく、あらかじめ話すことを決めたうえで、理路整然と伝えるようにしましょう」

自分たちが変わるしかない

 しかしながら、なぜ部下や若手社員に対してこちらがそこまでへりくだらなければいけないのか……納得がいかない部分もあるかもしれない。だが、まずは「若手社員が毎日会社に来てくれるだけでも感謝すること」が大事だと石川さんは言う。 「今の若い人たちの習性をこちらが変えることはできないので、私たちが変わっていく必要があると思います。『若い人が目上の人たちに合わせるべきだ』と主張していても結局困るのは私たち。会社は若い人が気持ちよく活躍してくれないと、今後存続できませんから」 【石川弘子(いしかわひろこ)】 青山学院大学経済学部経済学科卒業。企業で総務業務に従事する間、社会保険労務士資格を取得。その後、平成16年10月に石川社労士事務所を開業。平成28年4月にフェリタス社会保険労務士法人に組織変更し、代表社員に就任、現在に至る。特定社会保険労務士、産業カウンセラー、ハラスメント防止コンサルタント。労働・社会保険手続き代行、就業規則作成等の他に、中小企業から上場企業まで、様々な企業の労務相談を受けている。また、障害年金請求手続きや、産業カウンセラーとして、企業のメンタルヘルス対策などにも携わる。著書に『あなたの隣のモンスター社員』(文春新書)、『モンスター部下』(日本経済新聞出版社)がある。 <取材・文/松本果歩>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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