仕事

16歳東大合格男が起業「医療データとAIで、世界の人命と日本の経済を救う」

データ競争が医療AIの臨床導入を阻んでいる

医療AIが目指すのは、信頼できる自動セカンドオピニオン

医療AIが目指すのは、信頼できる自動セカンドオピニオン

 AI企業・医療機器メーカー・製薬企業などは、医療AI研究開発に使える医用画像データを巡って、熾烈な競争を繰り広げてきた。高いコストと手間をかけて、以下のプロセスをすべて一社単位で担ってきたのだ。 ①日本中/世界中の病院と提携し、匿名加工と倫理審査を経てデータを収集する ②利用できそうなデータを取捨選択する ③複数の専門医によるアノテーションを施す ④AI学習に向けた前処理を施す *前処理:ノイズ除去・位置合わせ・規格統一など  しかしこれは言ってみれば、料理をするためだけに、野菜栽培・魚釣りから下処理までもすべて自身で行ってきたようなもの。  無駄が多いだけでなく(=医療費上昇)、AI開発に求められる多種多様なデータ取得にも限界があるので(=医療の質低下)、多重構造解消が強く求められている。  また、用途に応じたカスタムの創薬AI・医療AIの開発には、入手困難な特殊データがしばしば求められるので、とりわけ高精度かつ安定的なカスタムAI開発は困難だ。  医療AIを研究開発する企業からすると、先ほどの「データ取得」「取捨選択」「アノテーション」「前処理」の4つのプロセスはどれも必要不可欠である。  しかし残念ながら、現在は「データ取得」「アノテーション」をそれぞれ担う海外のプラットフォームがあるだけで、医療AIに特化した一気通貫型プラットフォームは存在しない。  そこで、どこにいても最適な診療を安価で受けられる社会を実現するには、医用画像データを巡っての「競争」から「共創」へと、医療AIのパラダイムシフトを起こさなければならない。 「AIは最も優先度の高い技術であり、医療はその最も緊急性の高い応用先である。」--サティア・ナデラ(マイクロソフトCEO)

データ「共創」のパラダイムシフトを起こす

Callisto株式会社のロゴ

筆者が起業した、Callisto株式会社のロゴ

 当社Callistoは、今すぐ医療AI研究開発に使える医用画像データセット(料理に例えるならミールキット)を用意し、安価で販売するプラットフォームを目指す。  さらに、収集した様々なデータを活かして、カスタムの高精度な創薬AI・医療AI(料理に例えるならオーダーメイド料理)を開発し、製薬企業・医療機器メーカーなどに提供する。  売り上げは発生するたびに、データ提供した医療施設とアノテーション提供した専門医にも一部還元することで、各関係者が円滑に医療AIを成長させられる仕組みを実現する。  Callistoが取り組もうとする事業は、間違いなく難易度が高い。まず医用画像データ管理と医療AIに関する「技術的難易度」が高い。また、医療AI分野におけるネットワークと知名度と、各利害関係者の要望に沿ったインセンティブ設計も必要なので、「データ獲得の難易度」も高い。  でも、だからこそ、この事業は僕にならできて、僕にしかできないと思った。  日本人の美徳はゼロリスク神話。だから患者も医者も「なんとなく医療データを病院の外に出すのは怖い」と思いやすい。  しかし、ビッグデータとは科学である。収集した医療データを匿名加工・暗号化・分散管理で守るのも、AIで活かすのも、すべて科学である。  だから科学と法令に基づく限り、データの流出と改ざんのリスクを最小限に留めた上で、医療データの利活用で社会を構成する全員、つまりあなた自身とあなたの家族を救えるのだ。  スタートアップの価値を決めるのは、起業家の人物像に尽きる。なぜなら、新規事業の推進とは研究同様に「明確な答えのない問題の解決」であり、逆境は付き物なので、それを乗り越えるのは起業家の力量次第だから。  だから、僕を信じて、僕の器を信じて、僕を絶対勝たせたいと思う人にこそ、何らかの形で同じ船に乗って欲しい。  我らは旅人、ボイジャーさ。人生という名の、たった一度きりのグランドツアーのチャンスを逃すな。 「データは新しい科学である。ビッグデータの中に答えはある」--パット・ゲルシンガー(インテルCEO) 文・写真/東大AI博士・カリス
1993年、韓国生まれ。16歳で東京大学に合格。日本政府から天才認定(学生としては初めて、研究業績だけで永住権を取得)を受ける。博士(情報理工学/東京大学)。英・ケンブリッジ大学/独・ミュンヘン工科大学/伊・ミラノビコッカ大学で訪問研究。⽇本トップレベルの医療AI研究者であり、「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すべく、医用画像データプラットフォームを手がけるCallisto株式会社を創業。YouTubeチャンネル『カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信中

誰でも“天才になる”方法

16歳で東大に合格した
元引きこもりの僕が教える逆転の思考法

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