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16歳で東大に合格した男が考える「成功する人の特徴」。的外れなところで頑張ることに意味はない

成功の決め手は「運」である

たまたま友達がいたという「運」のおかげで、筆者は英国ケンブリッジ大学で訪問研究をすることができた

たまたま友達がいたという「運」のおかげで、筆者は英国ケンブリッジ大学で訪問研究をすることができた

 徳川家康が天下人になれたのは、最も我慢強いからなのか。  ジェフ・ベゾスが大富豪になれたのは、最も創造的だからなのか。  マリリン・モンローが大スターになれたのは、最も美しいからなのか。  否、違う。彼ら・彼女らが成功したのは、自身でも語っているように「最も運が良かった」からなのだ。  人間が成功する条件は、運・才能・努力の3つから成る。おそらくその比率は「運7割・才能2割・努力1割」あたりだろう。成功とは「運によってもたらされたチャンスを掴むこと」だから、運の影響がぶっちぎりで大きいのは間違いない。受験と違って、過去問を踏まえた対策ができない人生は“運ゲー”そのもの。  しかしこの運の捉え方によって、成功する確率は大きく変動する。失敗する人にはギャンブル好きが非常に多く、誘惑に負けてルールもロクに知らずに首を突っ込んで、カモになる傾向がある。しかも、何も学習せずに「次こそ勝てるはずだ」と思い込み、同じやり方で負け続ける。  一方で成功する人は、運は完全にはコントロールできないものの(特に事件や事故などの不運は耐えるしかない)、才能と努力で勝率は上げられるということを理解していて、「運任せ」ではなく「戦略任せ」で生きるから勝ちやすいのだ。僕も競馬は大好きだけれど、25%のテラ銭を取られるのが嫌だから、馬券ではなく株を買っている。 「宝くじ買う人っているじゃない。あんなの、普通に買ってて当たるわけがないのにさ。それなのになんで買うのかと言えば、『夢を買ってる』って言うんだけど……その言葉を聞くたびに私なんかは思っちゃうわけだよ。『現実を買え』」――阿良々木月火(『囮物語』より)

勝てる場所で努力し、勝ち切ることが重要

 肝心な運を味方にし、実力発揮するには「個人の生まれ持つ資質」である才能が必要だ。だから、運の次に重要なのは才能となる。僕たちがどう足掻いたって、WBCで優勝した大谷翔平みたいに165kmを投げられるわけがない。勝てる場所で努力し、勝ち切ることが重要なのだ。 ・努力すれば報われる ・私は絶え間ない努力のおかげで成功できた ・天才は1%のひらめきと99%の努力でつくられる  こんな言葉は聞こえが良いし、一見平等に思えるが、現実にはまったく即していない。たとえば、研究者のキャリアの長さと研究のインパクトは無関係であることが分かっていて、2年努力しようが20年努力しようが関係ない。  社会人だって、2年も頑張れば才能は十分に引き出せるから、それ以上にパフォーマンスを上げることはなかなか難しいはずだ。ゲームのルールを理解した上で、勝負に出よう! 「結局は、運とセンス」――利根川進(ノーベル生理学・医学賞受賞者)
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才能で運を活かす
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1993年、韓国生まれ。16歳で東京大学に合格。日本政府から天才認定(学生としては初めて、研究業績だけで永住権を取得)を受ける。博士(情報理工学/東京大学)。英・ケンブリッジ大学/独・ミュンヘン工科大学/伊・ミラノビコッカ大学で訪問研究。⽇本トップレベルの医療AI研究者であり、「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すべく、医用画像データプラットフォームを手がけるCallisto株式会社を創業。YouTubeチャンネル『カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信中

誰でも“天才になる”方法

16歳で東大に合格した
元引きこもりの僕が教える逆転の思考法


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