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16歳で東大に合格した男が考える「時間をムダにしている人の特徴」

「やるべきこと」よりも「やりたいこと」を優先する

カリスト株式会社の共同創業者3人

カリスト株式会社の共同創業者3人。中央が筆者

 コスパならぬ「タイパ」の時代。多くの現代人は、常に時間に追われているかのように生きている。 ●いつも〆切に追われている ●チェックリストだらけで疲れる ●カレンダーが予定で埋め尽くされている ●受験に勝つために必死に勉強している ●与えられた仕事を延々とこなしている ●大人になって、時間を早く感じるようになった  日々こんな経験をしている人は、非常に多いはずだ。しかし、「やりたいこと」を我慢し、「やるべきこと」に執着し続ける、機械のような人生は果たして幸せで有意義と言えるのだろうか。  否、違う。  時間の使い方はそのまま「命の使い方」になるが、思い出に残らないような生き方をすれば、時間は単調に過ぎ、人はただ老いていくだけだ。今日の一日をだらだら過ごし、明日も同じ繰り返しをするには、僕たちの一生は短すぎる。  だからこそ、世界三大文豪も口を揃えて、こう言っている。 「うまく使えば、時間はいつも十分にある」(ゲーテ) 「賢い人間は時間を無駄にすることに最も腹が立つ」(ダンテ) 「時はそれぞれの人間によって、それぞれの速さで走るもの」(シェイクスピア)  時は刻むもの。勇気をもって行動しなければ、「いつかやりたい」の「いつか」が訪れることはない。だから旅行、勉強、研究、運動、恋愛といった「時間があればやりたい」ことは「時間を作ってでもやる」べきだ。 「やるべきこと」なんて、ほとんどの場合は「自分でなくでもできること」だから、他の人やAIにどんどん任せて問題ない。

他人の人生を生きて、時間を無駄にしてはいけない

 時間心理学によると、時間の主観的長さは「没頭できるか否か」で激変することが分かっている。自分にとって意味のあることや楽しいことをすると、「いつまでも時間が続いてほしい」から、その瞬間は時間が早く経つと感じるものの、振り返ったときは思い出がたくさん浮かぶ分、時間が長かったと感じる。  一方で、自分にとって重要でないことや苦しいことをすると「早く時間が終わってほしい」から、その瞬間は時間を長く感じるものの、振り返る価値のある思い出がない分、時間を無駄にしたと後悔するらしい。  この概念は、アインシュタインの言葉で簡単に説明できる。 「可愛い女の子と1時間一緒にいると、1分しか経っていないように思える。熱いストーブの上に1分座らせられたら、どんな1時間よりも長いはずだ。相対性とはそれである」 「時間の心理的長さは、年齢に反比例する」と主張するジャネの法則もあるように、「大人になって時間が早く過ぎるようになった」と感じる人はとても多いだろう。  でもこれは単純に「あなたがつまらない大人になってしまった」だけだと、僕は思う。自分の生きたいように生きる、カッコ良い大人になっているのであれば、時間はいつだって十分にあるはずだから。  人は歳を取るのが嫌なんじゃない。歳を取って、可能性が狭くなるのが嫌なだけだ。だから日々新しい知識と経験を重ね、できることの幅を広げることで、充実した毎日を過ごしていこう。  一度きりの人生、どうせなら主役になった方が良い。だから僕は、自分の名前をそのままつけた「カリスト株式会社」を創業した。 「あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きて時間を無駄にしてはいけない」 (スティーブ・ジョブズ)
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自分の人生を生きるために、自分の行動原理を決める
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1993年、韓国生まれ。16歳で東京大学に合格。日本政府から天才認定(学生としては初めて、研究業績だけで永住権を取得)を受ける。博士(情報理工学/東京大学)。英・ケンブリッジ大学/独・ミュンヘン工科大学/伊・ミラノビコッカ大学で訪問研究。⽇本トップレベルの医療AI研究者であり、「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すべく、医用画像データプラットフォームを手がけるCallisto株式会社を創業。YouTubeチャンネル『カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信中

誰でも“天才になる”方法

16歳で東大に合格した
元引きこもりの僕が教える逆転の思考法


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