仕事

「転職を怖がる人」の心を縛る“ちっぽけな自尊心”という呪い/猫山課長

生き延びるための2つの方法

 ちっぽけな自尊心を守るのも結構ですが、普通の人が普通に生活できない現実はあなたのすぐ後ろまできています。世界はほどなく変わってしまう。  転職が「やればできる」ものなのかはわかりません。何の保証もない以上、リスクがあるのは確かであり、成功するかどうかは事前にはわからない。  そもそも、今さら人様に堂々と提示できる実績など見つけられない人がほとんどでしょう。迂闊に安易に生きてきた人物が、即座にそんな輝かしいものを準備できるはずがないのです。    であれば、生き延びるための方法は2つです。  まずは今からでも本業で「他者に明示できる何か」を見つけていくことです。あなたの会社は何かの業界に属しており、その業界に長年浸かってきたあなたには多くの知見があるはずです。それがあまりに当たり前すぎて、あなたは無価値だと思い込んでいますが、同業他社においては欲しくてたまらないピースである可能性があります。  それらを客観的に抽出し、数値化していく。あなたにはすでにキャリアがある。蓄積されたものがある。それを見える形にしてあげる。そこから始めるべきでしょう。  もう一つの方法は、副業です。収入が増えればいいのですから、現職のまま副業をすればいいのです。  その際に重要なのは、バイトなどの時間の切り売りを選択しないことです。あなたが本業で積み上げた経験と知見をマネタイズすることを考えましょう。経験と知見をストック化して商品にする。あなたは現在の会社に勤務したまま、あなたの経験と知見だけを転職させるイメージです。それは自分という存在にレバレッジをかける行為にほかなりません。  あなたは転職に怯えているかもしれません。それは長く同じ会社に勤めていることが足を引っ張っている可能性があるでしょう。  しかし、転職に怯えるほど長いあいだ勤務した蓄積は、すでにあなたの中にある。それは、あなただけの大きな財産です。  ツラくても勤務し続けて得た財産たちに、目いっぱいの光を当てましょう。あなたはすでに、価値あるものを持っているのですから。
金融機関勤務の現役課長、46歳。本業に勤しみながら「半径5mの見え方を変えるnote作家」として執筆活動を行い、SNSで人気に。所属先金融機関では社員初の副業許可をとりつけ、不動産投資の会社も経営している。noteの投稿以外に音声プラットフォーム「voicy」でも配信を開始。初著書『銀行マンの凄すぎる掟 ―クソ環境サバイバル術』が発売中。Xアカウント (@nekoyamamanager
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