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大阪市「喫煙所120箇所」では足りない?「たばこのない万博」目指すも“消えない野良たばこ”

1400万円の閉鎖型喫煙所、設置の経緯

喫煙所には行かず、川を見ながらたばこを吸う人たちを散見した

 路上喫煙禁止地区での喫煙は褒められたものではない。しかし、河川沿いで大阪環状線の高架下に位置する堂島公園は、人通りも少なく、老若男女が集う憩いの場所というより、街の死角といった性格が強い。そもそも周囲に他者がいない場所なら、わざわざ閉鎖型の喫煙所に足を運ぶことなく、屋外でたばこを燻らしたいという喫煙者心理が働きやすい場所とも見受けられる。こうした場所で、約1400万円という設置費用と、空調などランニングコストのかかる閉鎖型喫煙所は本当に必要なのだろうか。大阪の路上喫煙対策を担当する、大阪市事業管理課・まち美化担当の木村舞子課長に話を聞いた。 「もともと大阪市が路上喫煙対策の条例を作ったのが平成19年で、大阪のメインストリートである御堂筋を禁止にするところから始まっています。御堂筋に面している堂島公園は、大阪市の予算で作った第1号の公設喫煙所となります。人の往来が特別多いエリアというわけではないのですが、今後、堂島公園はウォーターフロントとして船着場を作ったり、子供も遊べる広場を作る計画もあります。喫煙所の横に観光トイレが設置されているのをご覧いただけたと思いますが、それと合わせて今後の都市計画の一環として、閉鎖型喫煙所を設置することになりました」

利用時間外に喫煙所を訪れたグループが…

 閉鎖型喫煙所が施錠される20時以降に、再度堂島公園を訪れると、喫煙所に入れなかったグループが、そのまま喫煙所横でたばこを吸い始めていた。日中に見かけた公園奥での喫煙行為やポイ捨てが散乱していることと合わせて、 “野良たばこ”が喫煙所周辺で起きていることについてはどうか。 「もともと、開放型の喫煙所があった頃から、公園奥のほうで喫煙されている方がいらっしゃる状況でした。堂島公園の喫煙所は今後の対策のモデルともなりますので、公園を管理する部署とも連携して、利用状況の確認は適宜していき、どんな場所に、どんなタイプの喫煙所を設置していくかを検討していきたいと思います」(前出・木村課長)

20時以降に喫煙所を訪ねるも利用時間外で施錠されていることから、喫煙所のすぐ横の川沿いでたばこを吸うグループも

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「大阪市に必要な喫煙所は367箇所」
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