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大阪市「喫煙所120箇所」では足りない?「たばこのない万博」目指すも“消えない野良たばこ”

「大阪市に必要な喫煙所は367箇所」大阪市商店会総連盟が調査結果を紹介

堂島公園のすぐ北側にある、喫茶店前に置かれた喫煙所には常時人だかりができていた

 具体的に喫煙所の数はどれほど必要となるのか。産経新聞(11月9日付)は、関係者への取材により、大阪市が喫煙所の数を約120箇所と試算していることを報じた。一方、今年11月10日、大阪市商店会総連盟は、人口動態や駅の乗員客数等に応じて算出した「大阪市内において必要な喫煙所数は367箇所」との調査結果をHP上で紹介し、大阪市に対して「喫煙所整備計画において参考としてほしい」「地域コミュニティーの声を聞いて欲しい」旨のコメントを発表している。  2002年、全国に先駆けて路上喫煙を禁止にしてきた東京都千代田区は、民間での運用も含めて、現在74か所の喫煙所がある。千代田区の昼間人口は約85万人であるのに対して、大阪市の昼間人口は約354万人。単純に人口比で考えても、大阪市に必要な公設喫煙所は300箇所とみることもできる。これらを踏まえても、大阪市商店会総連盟が紹介している調査結果は大変興味深く、大阪市としても大いに参考になり得るものではないかと考えている。

2年で十分な数の喫煙所は設置できるか?

「大阪市内全域を路上喫煙禁止にするのは万博が開催される25年1月施行を目標にしています。およそ2年弱と期間が短いですが、喫煙所設置はもとより、路上喫煙禁止の認知やマナー向上、喫煙所の案内表示も合わせて施策を検討している段階です。また、東京の事例も参考にしています。千代田区ではマップを作って、公共の喫煙所だけでなく、喫煙できる喫茶店や民間で運営されている喫煙所を紹介していますが、大阪もそういった取り組みをして、立地条件のある公共喫煙所だけでなく、喫煙できる場所を増やしていきたいと考えています」(前出・木村課長)  堂島公園のすぐ北側に店頭に灰皿を設置した喫茶店があり、こちらは常時7〜8人の喫煙者がいる状態だった。いうまでもなく、路上喫煙禁止と喫煙所の整備は車の両輪だ。条例が施行されれば路上喫煙がゼロになるわけでもなく、十分な数の喫煙所の設置が前提となってくる。財政も限られるなか、一律に閉鎖型喫煙所が必要かは議論の余地があるところだし、喫煙者と非喫煙者の双方が不快な思いをせずにすむよう、今後の喫煙所の設置状況を注視していきたいと思う。<取材・文・撮影/日刊SPA!取材班>
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