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20分程度でも効果大!睡眠コーチが教える「科学的に正しい昼寝」

CRPを効果的にとる3つのポイント

睡眠 先述の通り「眠たくなったらいつでも昼寝をしていいよ」という話ではありません。重要なポイントは、1日の中で「どの時間帯」に「何分程度行うのか」を、計画的に毎日のルーティンにしていくことです。  いい睡眠をとるためのベースは「体内時計を整えること」。つまり、昼寝においてもいかに毎日を規則正しく過ごせるかがカギになるので、CRPをとる時間はある程度決めておきましょう。  次に大事になるのが、CRPの長さです。これは個人差がありますが、成人であれば20分程度に設定しましょう。少し難しい話をしますが、睡眠に入ると脳は、 ノンレム睡眠1→ノンレム睡眠2→ノンレム睡眠3→ノンレム睡眠4  というように、階段を下りるように深く入っていきます。ノンレム睡眠1は、まだまだ浅い状態で、本人も眠っていたという自覚がないことが多い睡眠状態です。  周りから見ていると明らかに眠っていたのに、本人は「寝そうになった」などと言っているのを見たことありませんか?それはノンレム睡眠1の状態で目を覚ました証拠です。

1時間だけ寝て…の落とし穴

 ノンレム睡眠3まで入ると本格的な睡眠に入っていくので、脳の温度が下がりだし、完全に休息モードに入ります。そうなってしまうと逆に、起きたくても起きられない状態になってしまいます。「1時間だけ寝てから勉強しようと思ったのに気がついたら朝だった」という経験はありませんか?  つまり、CRPのポイントは、「いかにノンレム睡眠2の状態で起きられるか」なのです。子供やお年寄り、ショートスリーパーと言われる人を除くと、平均的に20分程度がちょうどノンレム睡眠2にあたるため、深すぎず浅すぎず、しっかり脳がリフレッシュできて、スッキリ起きられる、というわけです(もちろん個人差があるので、20分でも深い睡眠に入ってしまうことがあるので注意してください)。  そしてもう一つ大事なことが、「頭をもたれさす」ことです。CRPをとるときは、必ず頭を枕や机、壁などにもたれさせてください。電車やイスで寝ていると、頭がゆらゆらして、ガクッとなることがあると思います。まさにあの状態です。  頭をもたれさせずに睡眠をとった際の脳波の測定実験では、20分寝たとしてもノンレム睡眠2までいきにくいことがわかりました。CRPをとるときは、必ず横になるか、机や壁に頭をもたれさせて、首に余分な力が入らないようにしましょう。 CRPのポイントはまだまだありますが、まずは ①毎日CRPをとる時間をある程度決める ②昼寝は20分程度にとどめる ③必ず頭をもたれさせる  この3つのポイントを意識して実践してみてください。もし、設定した時間に眠たくならなくても、目を閉じて、呼吸を整えるだけでも効果はあります。 「眠れない」「どうしよう」と考えるのではなく、「眠れそうにないから脳を休めるための時間にしよう」と気持ちを切り替えることも大切です。ぜひ実践してみてください。
スリープコーチ。上級睡眠健康指導士。(一社)オルソスリープアカデミー代表理事。2016年に「快眠ほぐしサロン すいみん」(大阪市)をオープンし、約2万人の睡眠をサポート。また、企業向けに睡眠セミナーも実施してきた。2022年2月からニック・リトルヘイルズ氏と正式に契約し、アスリートに向けた睡眠指導も本格化。社会全体の睡眠の質を高めるために奮闘している。Instagram(@tatsutoyano)Twitter(@yanotatsuto
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