更新日:2022年12月08日 04:23
カーライフ

34GT-Rが5500万円!フェラーリやランボルギーニより値上がりする理由――2022年トップ10

280馬力は仮の姿

オートクラブ いよいよ試乗だ。車内は適度に生活感がある。家族用のクルマは別にあるが、勝手に乗ると怒られるので、これはイイジマの普段の足でもある(涙)。走行距離は年間約5000㎞ずつ増えている。  1速に入れて発進。低速域はかなりトロい。しかしクルマから伝わってくるあらゆる部分の剛性感がものすごい。まさに戦車である。そこからアクセルを踏み込み、エンジンの回転数が3000を超えるとターボが効き始め、「ビュイーン」と加速する! が、しょせん280馬力。そんなに速くはない。速いというより重々しい印象だ。  GT-Rのエンジン「RB26DETT」は、レースで勝つために作られた。280馬力は仮の姿で、チューンすれば1000馬力にパワーアップすることもできる。この重ったるい感覚は、ウルトラ丈夫なエンジンブロックから伝わるホンモノの証し。その無限の可能性が、スカイラインGT-Rの相場を、とんでもないところまで引き上げた。  こういうクルマは、速いから高いわけじゃない。性能とは無関係で、こんなのもう作れないから高いのだ。相場ってそういうもんだよネ! 乗っててなんだか涙が出てきた。

【結論!】

古いスポーツカーの相場は、需給関係だけで決まる。それにしても、フェラーリやランボルギーニと違って、生産台数が断然多いスカイラインGT-Rが、まさかこんなに値上がりするとは……。まさに共同幻想だネ!
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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