ライフ

消えたヤンキーブランド「ガルフィー」人気再燃のワケ。“黒歴史”を強みに――2022年トップ10

木下優樹菜をモデルに起用、認知度が大幅アップ

ガルフィーとドン・キホーテ

ガルフィーとドン・キホーテのコラボアイテム。写真左から、PizzaLove、久保田かずのぶ(とろサーモン)、なかむらみなみ。画像は、ガルフィーのInstagram(@galfy.jp)より

 こうしてガルフィーをリブランディングしたうえで再スタート。全盛期を知るコアな層の間でジワジワと話題を集めていたが、売り上げとして大きく伸ばしたのは昨年の冬頃なのだとか。  起爆剤となったのは、その少し前に“お騒がせタレント”をモデルとして起用したことだ。 「2021年の春夏、木下優樹菜さんにモデルをお願いしたんです。当時は過去の炎上を引きずっていた状態ではありますが、お互いが再び陽の目を見るための物語として面白いんじゃないかって。いろんなネットニュースで取り上げられて、認知度がいっきにあがった。そのおかげで大手セレクトショップからも声がかかるようになったのですが、あんまりオーバーグラウンドにはいきたくないと思って。そのなかでは唯一、今年の2月にドン・キホーテとコラボしましたね。ガルフィーを着る人たちは、ただカッコつけたいわけではないというか……」  どこか懐かしく、ちょっと下品で、ちょうど良くダサい。それが今の若者たちには新鮮に映っているのではないかと石川さんは推測する。

毎回フルスイングで“これがガルフィーです”

ガルフィー

大胆な刺繍が目を引きまくる

 今回は、ガルフィーの秋冬コレクションの展示会でインタビューを敢行したが、シーズンコンセプトなどは「特にない」と話す。 「よく聞かれるのですが、そういうブランドではないと思うので、世の中の流れを見ながら“ノリ”です。もちろん、私が手掛けている別のブランドではきちんと考えていますが。  ガルフィーの場合は、これまでも戦略的にどうこうというよりは、面白いと思うことをやってきたらこうなった。毎回フルスイングで“これがガルフィーです”という感じでしょうか。ガルフィーを着ている子たちの顔が浮かんでくる。今の若い子たちって本当にオシャレで着こなし上手なので、あとはお任せするだけ」
次のページ
現在は“地雷系”にも人気
1
2
3
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ