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コンビニのレジで「これ」しか言わない客は意外と多い。戸惑う店員の本音

 先日、SNSでコンビニにまつわるこんな投稿が物議を醸した。レジ横の肉まんやあんまんなどが入った蒸し器の真ん中に<外国人のお客様へ『これ』禁止。『肉まん下さい』と言って>という手書きの張り紙が掲示されていたというものだ。 「これ」という文字の隣には、指マークとみられるものが描かれていた。つまり、指をさして「これ下さい」ではなく、「肉まん下さい」とはっきり言ってほしいとのことだ(※「外国人」と限定しておきながら、日本語表記しかなかったことなどから批判の声があがり、コンビニの運営元は謝罪)。
コンビニ

※写真はイメージです。以下同

 筆者はコンビニで長く働いてきた。辞めていた時期もあるが、現在はライター業の傍ら、知り合いの店長に「人手不足」を理由に頼まれ、空いた時間に手伝う生活をしている。  今回は、多種多様な商品や決済方法があるなかで、レジでの「これ」問題をはじめ、店員と客のコミュニケーションについて書いていきたい。

外国人客は「これ」でも仕方がない

   地域によって外国人客がかなり多い店舗もあるようだが、筆者が手伝っているところは5〜10%程度だろうか。もっとも、日本在住者の中には流暢な日本語を話す外国人もいるので、顔を見なければ外国人と気がつかない場合もある。  たしかに、外国人客は中華まんや揚げ物などは、基本的に日本語で「これ下さい」と伝えてくる人が多い。実際、筆者も海外に行った時には店で「ディスワン・プリーズ」と商品を指さして取ってもらうが、それで全然問題ない。  正直、外国人客は日本のコンビニではそれでいいと思う。

ベテラン店員の対応

 今回の件の報道(Webメディア「ねとらぼ」)によれば、当該の店舗には外国人客が多かった。中華まんは包装がなく、あまり見た目の違いがないために商品受け渡しミスが数多く発生していたそうだ。  それはありうる。とはいえ、筆者はベテランなので「これ下さい」と言われた場合は、こちらも商品に指をさして確認する。大きな声で「〇〇(商品名)ですね!」と念を押し、相手が頷いてから渡す。これでミスはなくなり、もしも「商品が違う」とクレームが入ってもビデオと音声をチェックすれば、こちらに非がないことが立証できるのだ。  しかしながら経験の浅いアルバイト店員が多い店舗では、中華まんの種類を間違えて客から怒られることもあるかもしれない。
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中華まんの受け渡しミスを“装った”セコい客も
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