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海外就職で挫折を味わった女性。コンプレックスを強みに、タイのパタヤで見出した光

生徒は駐在員から早期退職者まで

TLSパタヤ校

石井さんが経営するTLSパタヤ校

 日本人のリタイアメント後の移住先としても人気が高いパタヤ。そのため、TLSパタヤ校の生徒の層はバンコク校と大きく異なるという。 「バンコクは日本人駐在員の生徒がほとんどですが、パタヤは日本人駐在員の生徒が半数ほどです。あとは連休だけ日本からやってきて短期留学する生徒、50歳オーバーの早期リタイアした生徒などです。  日本語を学べる学校が少ないのでパタヤ在住の中国人や欧米人など、多国籍な生徒が通っています。ほかにも日本語を勉強したいタイ人の女の子。中にはタイの女の子に学費を援助して通わせてあげる日本人の方もいらっしゃいます」

タイならではの苦労「遅刻やドタキャンは当たり前」

 日本人向けのビジネスがそこまで進出していないパタヤで、語学学校を開校させたことは一見、メリットだらけのように見える。しかし、タイならではの苦労もあるようで……。 「タイ人特有の働き方に最初は苦労しました。タイ人は時間にルーズといわれていますが、特にパタヤはのんびりしています。面接に遅刻、当日にドタキャンは当たり前。10人ほどの面接予定を入れていても実際に来るのは2、3人ほどです。日本人の生徒相手には時間厳守でないと困るので、よい先生を定着させるまでが大変でしたね。  また、タイ人は家族を第一優先に考えるので、母の日や家族の誕生日には必ず休みます。それを生徒に伝えて理解させるのにも苦労ましたね」  このような問題が起きたときも即座に対応するのが石井さんの役目だ。生徒のケアや入学時のカウンセリングなどもすべて自身で行っているという。
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一時は学校を完全に閉鎖
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano

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