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新馬戦での「新種牡馬産駒狙い」は有効なのか。競馬誌元編集長がデータを徹底分析

新種牡馬の新馬戦成績を掘り下げる

競馬

デイリー杯2歳Sを制したオールパルフェはリアルスティール産駒。 
写真/橋本健

 私がかつて在籍していた雑誌『競馬王』の最新号で、「グリグリサプライ」という新馬券術が紹介されています。馬券術名の由来は「グリグリの本命馬が穴馬券を供給する」とのことで、断然人気馬のいる新馬戦で大穴を狙う手法です。  記事の中で考案者の「なんの氏」は、新馬戦で穴を狙うためのチェック項目をいくつか挙げているのですが、その中に「新種牡馬を狙う」というものがありました。曰く「新種牡馬は期待の繁殖牝馬につけられることが多く、産駒はポテンシャルに対して過小評価になりやすい」と。とりわけ、地味な新種牡馬は狙い目だと言います。  言われてみると、現役時代に馴染みが薄かったり、実績が今ひとつだった新種牡馬の産駒については、競馬新聞のシルシが入っていなかったら無条件で切っていたような気もします。果たして、実際にデータではどうなっているのか。早速、調べてみました。

単勝回収率100%超えが目白押し

主な新種牡馬の新馬戦成績(12月1週終了時点) ゴールドアクター 0-1-1-12 単回収率0% 複回収率27% グレーターロンドン 4-1-0-12 単回収率137% 複回収率64% サトノクラウン 7-4-4-38 単回収率96% 複回収率65% サトノダイヤモンド 4-4-6-32 単回収率38% 複回収率66% シャンハイボビー 3-3-4-26 単回収率283% 複回収率74% デクラレーションオブウォー 2-4-1-33 単回収率80% 複回収率56% ネロ 1-1-0-13 単回収率146% 複回収率45% ビーチパトロール 2-0-1-32 単回収率102% 複回収率20% ファインニードル 1-3-3-23 単回収率8% 複回収率101% ベストウォーリア 0-0-2-17 単回収率0% 複回収率87% マインドユアビスケッツ 5-8-2-39 単回収率352% 複回収率132%  ミッキーロケット 1-1-1-12 単回収率74% 複回収率41% レッドファルクス 1-1-1-32 単回収率36% 複回収率22% リアルスティール 5-6-7-35 単回収率335% 複回収率116% ヤマカツエース 1-1-0-13 単回収率30% 複回収率18%  ここで挙げた馬の産駒を全て買った場合の単勝回収率は143%なので、目を瞑って単勝を買い続けてもプラス計上となりました。新馬戦で迷った時、新種牡馬の産駒を買ってみるというのは、なかなか有効な作戦のようです。
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ポストディープの争い。馬券的にはリアルスティールに軍配
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