更新日:2025年01月19日 19:22
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週末使える馬券術。“冬場のダート”で勝てる馬を見つける方法

 新刊『今週勝つ!を叶える馬券カレンダー』の著者、競馬予想家の立川優馬氏。「そのレースが持っている性質=レース質」という概念を予想に落とし込んだ第一人者です。
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予想理論『レース質マトリックス』考案者の立川優馬氏

 立川氏は、「多くの競馬ファンにとっての年間プラス収支は『今週勝ちたい』を積み重ねた先にある」と言います。年間プラスから逆算して回収率を整えるのはプロ目線の話であって、目の前のレースを当てたいというのがごく普通の競馬ファンの思い。その視点から、「今週勝つ!」をテーマに1年52週分の競馬の“勝ち筋”をまとめよう、というのが新刊の出発地点だったとか。  そこで今回は立川優馬氏にご登場願い、この冬、そして今週末に使える馬券術について伺いました。

冬場のダートは馬体重の大きな牡馬に注目!

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阪神競馬場改修の影響で、今年の日経新春杯は中京コースで行われる 
写真/橋本健

——新刊『今週勝つ!を叶える馬券カレンダー』の前週末(=1月第2週)のページをみると、「凍結防止剤の撒かれたダートの攻略法」とありました。こちらにつきまして、解説をお願いしてもよろしいでしょうか。 立川:例年、JRAは1月2週目くらいを目処にダートコースに凍結防止剤を散布しています。  凍結防止剤が撒かれたダートは水分を含むと粘性を帯び、非常に力のいる馬場になります。そうなると、全ての馬がバテてしまうため、どの馬も直線で末脚を使えず、ラチ沿いピッタリを距離ロスなく通して、直線入口までにポジション差を築いている先行馬が恵まれます。また、力のいる馬場になることで、単純に馬体重が重い馬が有利になることや、相対的に非力な牝馬が不利になることも凍結防止剤が撒かれた馬場の特徴です。  したがって、とにかく馬体が大きくて先行できる牡馬を買うだけでも「勝ち」に近付くことができます。実際に先週の競馬を振り返ってみると、馬場が湿っていた土曜前半には比較的大型の穴馬の好走が見られました。ただ、すぐに乾いてしまって日曜以降は通常の中山ダートに戻ったかなという印象です。今後、含水率の高い状態で開催を迎えるときまで覚えておいてください。 ——体重の大きな牡馬を狙うだけとは、実にお手軽ですね。 立川:馬券に生かすという意味ではそれでも良いのですが、「凍結防止剤=大型な牡馬の先行有利」という直列的な覚え方をするのではなく、前述のように凍結防止剤の仕組みや、結果的に先行有利や大型馬有利になるメカニズムなどを理解して、自ら結論にたどり着けるような思考方法を身に付けてもらえたら嬉しいですね。

イレギュラーな「中京芝2200m重賞」の狙い方

——そして今週にあたる「1月第3週」に目を向けると「変則開催で行われる特殊なレース、中京芝2200m重賞がもつ特殊なレース質」とあります。こちらについても簡単に解説していただけますか? 立川:中京芝2200mは、「最初のコーナーまでが長い」「発走後に急坂を上る」というレイアウトになっており、先行争いが激化する中で坂を上ることになるので、非常に先行負荷が高くなりやすいコースです。ペースが上がりやすい上級条件や多頭数では、まず差しが届くと考えて構いません。  本来、中京芝2200mでは重賞は行われないのですが、今年は阪神競馬場改修工事に伴う変則開催で、1月の京都開催が中京開催で行われているため、今週末の日経新春杯は例年の京都芝2200mではなく、中京芝2200mで施行されます。前述のように、中京芝2200mは上級条件ほど差し届きやすいので、G2の日経新春杯ではかなり強烈な差し有利のバイアスが発生する可能性が高いと言えます。
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中京芝2200mコース図。『今週勝つ!を叶える馬券カレンダー』より引用

 また、中京競馬場は3~4コーナーにスパイラルカーブを採用しており、直線入口から急坂を上るレイアウトでもあります。ハイペースの高速決着になると、スパイラルカーブで外を回る馬の距離ロスや体力ロスが大きくなるため、ラチ沿いをタイトに回る馬のアドバンテージが大きくなります。したがって、今週からのBコース替わりを加味すれば、差し有利とともに、内枠有利も顕著に出ることが想定されます。  以上のことから、今週末に中京芝2200mで行われるG2の日経新春杯は、「内枠・差し・短縮・ハイペース」のレース質で取るのが妥当と言えるでしょう。
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枠順も踏まえた日経新春杯の注目馬は?
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馬券攻略誌『競馬王』の元編集長。現在はフリーの編集者・ライターとして「競馬を一生楽しむ」ためのコンテンツ作りに勤しんでいる。
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