ライフ

真っ赤な下着で年越し、窓から家具をetc. 年末年始に“トンデモ風習”のある国は…

年始最初のイベントは6日の公現祭

パレード

中世の衣装を身にまとった人々。パレードは街を練り歩く

 年越しパーティーで騒ぎすぎると、いくらタフなイタリア人といえど元旦には疲れ果てて抜け殻のようになっていることもしばしば。そんな人にはありがたいことに新年最初のイベントは元日ではなく、クリスマスシーズンの終わりを告げる1月6日の公現祭だ。  公現祭とはクリスマスに誕生したキリストのもとに、東方の三博士が祝福に訪れた日を記念する祝日。フィレンツェでは毎年この日に、中世の時代衣装を身にまとった人々が三博士の来訪を再現したパレードを行う。

年始の空を飛ぶ心優しい魔女

ベファーナ人形

この時期に売られるベファーナ人形。不気味なものから可愛らしいものまで、さまざま

 また、この日はベファーナと呼ばれる魔女が、子どもたちにお菓子をプレゼントする日としても知られている。  キリスト教の伝説では、東方三博士はキリストに会いに行く旅の途中で一人の老婆に道を尋ねた。彼女は親切に答えたので三博士は共に旅をしようと誘ったものの、貧しく醜い老婆は気後れして断ってしまう。  しかし後に一緒に行かなかったことを後悔して、キリストに贈るお菓子をもって家を飛び出すのだ。結局老婆はキリストのもとへはたどり着けなかったが、せっかく持ってきたのだからと贈り物のお菓子は周囲の子どもたちにプレゼントすることにした。  実際にはベファーナという魔女の起源はキリスト教の普及より前だと考えられるが、キリスト教はそれをうまく取り込んで心優しい老婆が子どもたちに贈り物をする日とした。  現代ではベファーナは1月5日の夜にホウキにまたがって空を飛び、良い子にはお菓子を、悪い子には炭を靴下に届ける魔女として知られている。
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日本とイタリア、お菓子入りブーツの違い
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2009年よりイタリア在住。料理と旅行とモノづくりが趣味のシングルマザー。フィレンツェ市公認「ホッビスタ(趣味でモノづくりをする人)」。イタリア在住ライターとして多数の媒体に執筆する他、企業向けマーケティング・リサーチや料理研究など幅広く活動。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。
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