更新日:2022年12月28日 03:05
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日本と違う海外の年末年始。フォンデュ料理が定番の国は? 元旦はクリスマスの“オマケ”扱い

 クリスマスとお正月。2大ビックイベントが重なる年末年始ですが、海外ではどんな盛り上がりを見せるのでしょう? 海外在住ライターたちに各国の様子をリレー連載でリポートしてもらいます。今回はヨーロッパのスイスからです!

クリスマスが終わっても、クリスマス飾りはそのまま

クリスマスデコレーション

新年になっても、クリスマスデコレーションが飾られている

 スイスで最も大切な年間行事といえば、欧州の多くの国々同様、クリスマス。日本では元日が一番大事な日であるように、この国でもクリスマスには家族や親戚などが集まって、一緒に食事をしたり語らったりして過ごす。故郷に帰省して、地元の友人たちとお酒片手に昔話や噂話で盛り上がるという日本の正月と似た風景も。  スイスは州によって祝日が異なるがクリスマスの12月25日と翌日26日、1月1日と2日を祝日とするところが多いため、一般企業などに勤めている場合、こういった祝日と週末の土日を利用して、長めの有休休暇をとることが珍しくない。それゆえクリスマスの1週間ほど前から同僚たちが一人、二人と休暇でいなくなり、オフィスはあっという間に閑散とした雰囲気になる。  また日本では年賀状を送ったり、お世話になった人に年末の挨拶としてお歳暮を贈ったりすることがあるが、スイスでもこの時期にクリスマスカードを送付したり、ちょっとしたプレゼントを互いにやりとりする人たちは少なくない。なかには菓子などのささやかな贈り物を全従業員に配る企業もある。  さて、クリスマスの日はほぼすべての商業施設や店が閉まってしまう。そして12月26日か27日から営業再開となるわけだが、ここでみんなが待ちかねるのは年末セール。とりわけクリスマス関連食材やグッズは半額~7割引きぐらいとなり、お買い得品を求めて大勢の人々が店に押し寄せる。

店頭にはラッキーグッズが並ぶ

縁起物のブタ

新年が近づくと縁起物のブタをかたどった商品が棚にならぶ

 その他、大晦日大みそかや新年を祝うパーティ関連商品、花火や爆竹を購入している人も見かける。それに加え、店頭には幸福を呼ぶ「ラッキーグッズ」も多く並ぶ。このラッキーグッズとは、たとえばブタやキノコ、四つ葉のクローバー、煙突掃除人、馬蹄などをモチーフとした縁起物の商品で、来たる年も実りある良い1年になるよう願い、人に贈ったりするものだ。  ちなみにスイスでは、大晦日の12月31日や元日の1月1日はクリスマスの“オマケ”的扱い。日本だとクリスマスが終わればただちに正月ムードとなり、大晦日や新年へ向けて盛り上がりを見せるが、スイスではクリスマスツリーやデコレーションがそのまま。クリスマス最終日とされる1月6日の『東方三博士の日(エピファニー)』に、やっとクリスマス飾りをすべて片付けるのである。
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クリスマス・大晦日に人気のフォンデュ料理
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ライター。2009年よりスイス在住。雑誌やウェブサイト、ラジオ等のメディアにてさまざまな情報発信中。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。
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