更新日:2022年12月18日 11:17
エンタメ

M-1決勝、元ファイナリストが断言する「ネタ順が結果を大きく左右する理由」

「決勝確実」と思った中で唯一敗退したコンビ

ミキ

ミキ

 敗者復活戦に無類の強さを発揮するのが「ミキ」である。彼らは2016年敗者復活戦2位、2017年決勝3位、2018年敗者復活戦1位から決勝4位、2019年敗者復活戦2位と敗者復活戦では3位すらとったことがないのだ。  その後の2年間は準々決勝で敗退し、敗者復活戦すら経験できなかったが今年帰ってきた。あの舞台の勝ち方を一番熟知している「ミキ」が再び勝ち上がるのか?
ビスケットブラザーズ

ビスケットブラザーズ

 準決勝のネタを見た俺が「決勝確実」と思った中で唯一敗退したコンビも紹介したい。それはキングオブコント2022王者である「ビスケットブラザーズ」だ。  彼らは主にコントをしているコンビだが、漫才も面白く、独自性もある。関西芸人らしく序盤も無駄にせずしっかり笑いを取っていた。時の勢いもある。キングオブコントとの二冠王の夢はまだ終わっていない。

初めての敗者復活戦に臨む「オズワルド」

オズワルド

オズワルド

 最後に紹介するのは大本命「オズワルド」である。昨年まで3年連続決勝進出。優勝候補筆頭として臨んだ昨年はファーストラウンドで審査員7人中6人がトップの点数をつけて1位。しかし、最終決戦で「錦鯉」にまくられ、準優勝に終わった。  そして、今年、前回大会のファイナリストが準々決勝で相次いで敗退するなか、準決勝に残ったのが「オズワルド」「真空ジェシカ」「ロングコートダディ」。この3組のなかで、準決勝で唯一敗退するのが「オズワルド」になるとは彼ら自身も思っていなかっただろう。  ここ最近の「オズワルド」の漫才はクオリティがさらに高くなっている。一行一文字も無駄にすることない言葉選びで構成され、頭一つ抜けている存在だと思う。近年、世間の「M-1は面白い」というM-1クオリティを保つ存在を担ってきたのが「オズワルド」なのだ。  だからこそのハードルの高さはあっただろう。3年も連続して決勝に敗者復活戦を経由せず、正面突破で進出しているのだ。求められるものは高い。ただ、彼らならそれを乗り越えてくるだろう。「オズワルド」が初めての敗者復活戦でどんな戦いを繰り広げるのか?
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トップ出番でも勝てるかもしれないコンビ
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1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

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