更新日:2024年01月18日 16:01
エンタメ

「お金がなかったけど、僕はええ学校に行けた」笑い飯・哲夫が激安塾を始めた思い

「親の経済力=学力の差」では、日本の行く末を揺るがしかねない

課金型教育にNO!

「寺子屋こやや」では各生徒が持ち寄った教材に対し教師が指導する。指導するのは話芸に富んだ芸人たちだ

 親の経済力の差が学力の差となり、それが日本の行く末を揺るがしかねないと憂う。 「僕らの頃はベビーブームで子供が多く、授業料が安くても儲かってた。今は少子化で授業料を上げないと儲からない、だから、ある程度高くなるのはやむを得ない。でも、そうなるとお金持ちしか塾に行けなくなる。  貧乏人用というわけじゃないけど、さまざまな層が通える塾が必要だと思ったんです。お金持ちも中流も貧乏も、全ての層が勉強して、全体で上げていければ最高じゃないですか」

笑い飯・哲夫「ウチの父は工場勤務、たぶん中流以下だった」

 哲夫氏自身も「上流家庭の育ちではない」と語る。 「ウチの父は工場勤務。毎日、ペンキまみれで帰ってきてました。お金で言うとたぶん中流以下ですよ。それでもある程度の偏差値の学校に行けたのは運良く環境に恵まれてたから。  小さい頃に祖母がブロックを買ってくれたんです。説明書がなかったから勝手にいろんなもん作ってたら、祖母が『賢いなー』と褒めてくれるんですね。それが楽しくて頑張るわけです。おかげで想像力がついた。  僕は人間には想像力が一番大事だと思ってます。想像力があるから“自分の目標とする高校に行くためには、中1のときにこれだけ成績を上げないとあかんな”とかがわかる。目標のために今なにをすべきかが逆算してわかるんです。  そういう想像力を鍛える教え方も『こやや』ではしています。ウチはあまりお金がなかったけど、僕はええ学校に行けた。そういう自負があるから、子供たちのためになにかできることはないかなって考える頭になってるんです」
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いちばんの儲けは豊かな才能を育てること
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’74年、奈良県生まれ。県下随一の進学校・県立奈良高校から関西学院大学文学部哲学科に進学。卒業後の’00年に西田幸治と笑い飯を結成し、’10年、M-1グランプリ優勝を果たす。『がんばらない教育』『えてこでも分かる笑い飯・哲夫訳 般若心経』ほか著書多数

がんばらない教育

格安補習塾を経営する哲夫による画期的な子育て論


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