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「幼稚園のお昼寝中、下着に手を入れられた」5歳の子ども同士で起こった性被害、マンガで描く

漫画にして初めて、本当はとても傷ついていたと気づいた

――どのような経緯で、「子ども同士の性被害」を漫画にされたのでしょうか。 ゆっぺ「私自身、保育園の同級生から性被害にあったことは、今まで誰にも言えずにいました。ずっと『なかったこと』にしていたんです。でも、漫画で自分の体験を描いていくうちに、当時の気持ちがよみがえってきました。 昔のことなのでもう忘れたつもりでいたし、トラウマもないと思っていましたが、忘れたわけでも消化できていたわけでもなくて、ただ自分に無理矢理『大丈夫』と言い聞かせて封印していただけだったことに気がつきました。 漫画にした時、『本当はすごく傷ついていたんだよ』と5歳の私が目の前に現れたような気持ちでした」 ――自分の気持ちにフタをし続けていたんですね。 ゆっぺ「自分の体験を漫画に描くことで、いなかったことにしてしまっていた当時の自分に『辛かったね』と声をかけてあげたいと思いました。自分の気持ちを吐き出して、当時の自分の気持ちを受けとめてあげるために。 そしてブログで1話ずつ公開し始めて反響を見てからは、同様の被害に遭った方々に対しても、少しでも力になれる漫画を描きたいという気持ちも強く抱くようになりました」

最初は「こんな話、信じてもらえない」と思っていた

――公開後の反響は、どのようなものだったのでしょうか。 ゆっぺ「当初はこんなことを描いても『そんなことあるはずない』『嘘つき』と誰も信じてくれないだろうなという気持ちでいました。ところが予想に反して『私も同じ経験をした』という声が多く寄せられて、ただただびっくりしました。皆さんからのコメントを読んで、子ども同士の性被害の多さと被害の深刻さに驚いています」 ――子どもだから被害を訴えるのが難しい、という問題もあると思います。 ゆっぺ「漫画のタイトルにも『なんで言わないの?』と入れていますが、子どもが性被害を訴えるのは難しく、被害が明らかになっても大人は『どうしてもっと早く言ってくれなかったの?』など、子どもの“言わなかった行動”を非難することがあると聞きます。 本当は、子どもが性被害を認識して大人に伝えることの難しさ――『なんで言えないのか?』に目を向けるべきですよね。何があってどんな気持ちだったのか、子どものSOSを受け止めるために、まずは子どもの気持ちを受け止めて、話をきちんと聞いてあげてほしいと思います」 【ゆっぺ】 「ライブドアブログ OF THE YEAR2021」最優秀グランプリを受賞した『ゆっぺのゆる漫画ブログ』を運営。2022年にはライブドアブログ殿堂入りも果たす。『女教師Aが地位も名誉も失った話』、『女友達の裏の顔!?』などのヒット作を連発し、2021年には主婦ブロガー初の月間3,000万PVという快挙を達成。初の著書『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。~なんで言わないの?~』が1月27日に発売。 Instagram:@yuppe2、Twitter:@yuppe__ <取材・文/楠悠里、日刊SPA!編集部 漫画/ゆっぺ>
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