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「うまいもんが食いたいから頑張れる」デブ偉人たちのポジティブな名言に学ぶ

名言③「空腹は私たちの情熱を指揮する指揮棒だ」

ジョアキーノ・ロッシーニ (イタリアの作曲家・1792-1868)
ロッシーニ

ステーキ料理の「ロッシーニ」(Photo by Adobe Stock)

 デブ諸氏の胃袋に刺さる直球な名言がこちら! イタリアに生まれたロッシーニは『セビリアの理髪師』や『ウィリアム・テル』などの名作オペラを世に生み出したことで知られる名作曲家です。  同時代に絶大な支持を集めた人気作曲家でしたが、37歳の若さでオペラの筆を折ってしまいます。あまりにも早い引退ですが、大胆な転身をはかります。それは「美食家」。昔から食いしん坊だったロッシーニは、豪華なグルメ三昧の日々を送ることになります。  ロッシーニの食いしん坊ぶりには、いくつか逸話が残っています。  ある大変なお金持ちの夫人から家に招待されたときのこと。どれだけ豪華な料理が出るのかと楽しみにしていましたが、出された食事は、見るのも悲しくなるような質素な食事。ロッシーニはがっくりと肩を落としました。 「また、お食事にどうぞ」  そう言って玄関で見送る夫人に、ロッシーニの口から思わずこんな言葉が出てしまいました。 「今でもいいのですが……」  食べたばかりだがもうすでに足りないんだ! そんなロッシーニの心の叫びが言葉になったようですね。
七面鳥

Photo by Adobe Stock

 また、ロッシーニは人生で2度だけ泣いたと言われています。1度目は父の死。2度目はトリュフをまぶした七面鳥の肉を落としてしまったときなのだそう。“どんだけ食欲すげーんだよ!”って感じですよね。  ロッシーニはその名前を冠した食べ物まで存在します。それは「トゥルヌドー・ロッシーニ」。フランス料理にも入っている、あぶらぎったステーキの一種です。ロッシーニは食べるだけではなく、自分で料理もしました。その料理はあぶらぎった上に塩辛いという複雑なものだったととか。  そんなものばっかり食べていたので、晩年はすっかりデブになったことは言うまでもないでしょう。知人から「自分の足を6年前から見ていない」とバカにされています。  しかし、その旺盛な食に対する欲望と情熱が彼を支えていました。前述の「空腹は私たちの情熱を指揮する指揮棒だ」という言葉は、彼にとってはもちろん、今を生きるデブ諸氏にとってもドンピシャでしょう。 「うまいもんが食いたいから頑張るんだ!」  そんなシンプルな叫びが聞こえてきそうです。  ほかにも「食べ、愛し、歌い、消化する。この4つの行為こそが人生という喜劇オペラを指揮する」という言葉も残しています。ロッシーニはポチャメン界のオペラ王だったわけですが、皆さんも、おおいに食べて、おおいに仕事する。そんな人生を歩んでいけばいいのではないでしょうか。

名言④「ドラマ(映画)とは、退屈な部分がカットされた人生である」

アルフレッド・ヒッチコック (イギリスの映画監督・1899-1980)  エンターテインメント界では、『北北西に進路を取れ』『サイコ』など、傑作サスペンス映画を数多く撮った伝説的監督として知られているヒッチコック。自らの作品にカメオ出演していますが、その体型はずんぐりとしたあんこ型で親近感がわいてしまいますよね。  好物はスフレで、焼き上がりが気になってオーブンから離れられないほど。一方、苦手なものは卵で「私は卵が怖い、というかそれ以上にぞっとしてしまう」と独特の感性を持っていたようです。  才気あふれるキレっキレの演出で数々の傑作映画を残した彼については、残された写真やイメージからどこかユーモラスな印象を持っている人も多いと思います。  しかしそのプライベートはサンフランシスコの自宅に引きこもる、どちらかというと人付き合いが苦手なタイプだったと言われています。  表に出たくないタイプのはずが、監督自らカメオ出演していたことで、図らずともデブキャラとして有名になってしまったのは、なんとも皮肉な結果ではありますが。  本来はネガデブ(ネガティブ系デブ)気味の性格だったヒッチコックにとって、人生最高の喜びは映画を撮ることだったはず。もしも引っ込み思案で表に出るのが苦手な方がいたら、自分がいちばん好きなことに没頭してみてはいかがでしょう?  ネガデブでもその頂点を極めれば、人生の大半を覆う退屈な部分をカットできるので、最高に楽しくエキサイティングな生活が待っているはずですし、ヒッチコックのような存在になれる可能性は十分にあると思います。  というわけで、ポジデブ偉人たちの名言を大きな体と胃袋に響かせて、2023年も意識を高めていこうではありませんか! 【監修・真山知幸】 1979年、兵庫県生まれ。2002年、同志社大学法学部法律学科卒業。上京後、業界誌出版社の編集長を経て、2020年独立。偉人や歴史、名言などをテーマに執筆活動を行う。『ざんねんな偉人伝』シリーズ、『偉人名言迷言事典 』『偉人メシ伝 』『日本史の13人の怖いお母さん』『文豪が愛した文豪 』など著作50冊以上。名古屋外国語大学現代国際学特殊講義(現・グローバルキャリア講義)、宮崎大学公開講座などでの講師活動やメディア出演も行う。(Twitter:@mayama3)。 <文/倉科典仁、編集/日刊SPA!取材班>
渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』や暴走族雑誌『ティーンズロード』などエッジの効いた若者カルチャーをテーマにした雑誌を多数手掛ける。現在はWebマガジン『Mr.Babe』でデブに特化したファッション&ライフスタイル情報を発信中。また、デブ限定の会員制オンラインサロン「Mr.Babe BIG MAN’s LABO」、大きいサイズのファッション通販サイト「Mr.Babe STORE」を開設。大きな男たちだけで日本の経済を向上させるべく奮闘中。X(旧Twitter):@nori09140914
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