こんにちは、日本のデブ諸氏の笑顔製造マシンとして日夜活動している「心もカラダもビッグサイズな男たち」のためのファッション&ライフスタイル情報を配信するWebマガジン「
Mr.Babe」編集長の倉科典仁です。
新年がスタートしてしばらく経ちますが、まだまだ本来の調子が出ない人も少なくないかもしれません。「2023年も心と胃袋を大きくいこう!」ということで、今回は「ポジデブ(ポジティブ系デブ)」な偉人たちの名言をご紹介します。
成し遂げた功績はもちろん、心も体もビッグな偉人たちは、数々の名言を残しています。これを読んで我々もモチベーションをビッグに上げていきましょう!
<監修/真山知幸(偉人研究家・名言収集家)>
名言①「天下は天下の人の天下にして、 我一人の天下と思うべからず」
徳川家康(日本の将軍・1543-1616)
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NHK大河ドラマ「どうする家康」が話題になっていますね。主人公の徳川家康を演じるのは、松本潤さん。優柔不断でいつも家臣たちの前で、あたふたしながらも、腹をくくったら困難にも果敢に挑んでいく。これまでとは違う、新しい天下人・家康像に挑戦していて、目が離せません。
ただ、一つだけ思うことがあります。家康、かっこよすぎないか、と……。家康と言えば肖像画をみても分かる通り、“ぽっちゃり将軍”。豊臣家の家臣たちは、家康を見て、ひそひそとこんなことを言っては、陰で嘲笑っていたそうです。
「徳川殿はこっけいである。下っ腹が異様に膨れておるゆえ、自分で下帯を締めることができず、待女にしめさせておるとか」
なんという言われようでしょうか……。また、大坂夏の陣では、戦がいよいよ近づくなか、家康は鎧をなかなかつけないでいました。陣羽織に裾を結んだ袴姿という軽装を見て、藤堂高虎が家康に具足を着るように指摘すると、家康は自信たっぷりにこう言ったそうです。
「大阪の小倅ごときを成敗するのに、甲冑など無用!」
軽装で十分だというのです。あれ、やっぱり本当は松潤ばりにかっこよかったのでしょうか……と思いきや、高虎がいなくなると、一転して、譜代の松平正綱に、こう打ち明けたとか。
「高虎は当家に忠勤をつくしているが、太閤に取り立てられた外様衆ゆえ、弱みをみせないため、あのように言った。だがのう、こうも下腹がふくれては、武具をつけると馬の乗り降りもままならぬのよ」
やはりそうでしたか……。そんな自他ともに認めるデブ将軍の家康は、数多くの名言を残しています。
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最も有名なのが、この言葉ではないでしょうか。
「
人の一生は、重荷を負うて遠き道をゆくがごとし。急ぐべからず」
まさに重荷を背負っている我々デブ諸氏は、コツコツと自分を磨いていくことで、一般体型の人を凌駕できると教えてくれている……と嬉しくなってしまいますが、残念ながら、家康はこの言葉を言っていないんですね。
家康による遺訓として知られているものの、
実は、幕臣の池田松之介によって幕末期に創作されたもの。裏を返せば、こんな言葉が後世の人につくられてしまうほど、家康はデブ……いや、苦労人だったわけです。
家康が言ったとされている言葉としては、江戸時代の宝永6年(1709)に書かれた『武野燭談』に、次のようなものがあります。
「
天下は天下の人の天下にして、 我一人の天下と思うべからず」
天下は一人のものと思ってはいけない――。さすが家康です。この度量の広さこそが、まさにポジデブの発想ではないでしょうか。うまいものはみんなでシェア!
名言②「自分の身に降りかかってこない限り、何が起ころうと全く意に介さない人が大勢いる」
ウイリアム・タフト(第27代アメリカ合衆国大統領・1857-1930)
陸軍長官、アメリカ合衆国大統領、最高裁判所長官などを歴任したウイリアム・タフト。タフトは、歴代大統領のなかでも最大の巨漢だったことで知られています。体重はなんと140キロ以上ありました。
そのサイズ感は、ホワイトハウスのバスタブにハマって動けなくなり、大統領の体に合わせて改装したとも言われているほど。MLBで始球式をした初の大統領ですが、これは運動不足を心配した側近が進言したからという話もあるんだとか。
数々のおデブエピソードを持つ人物ですが、その人柄は高潔そのもの。なにより仕事ができました。アメリカ史のなかでも、行政府と司法府両方のトップを務めたのは、タフトだけです。
実は、本人としては、政治家よりも裁判官をやっていたかったとか。ところが、奥さんやフランクリン・ルーズベルト前大統領から「やってくれ」と頼まれたからやってみた……と。この豪快さこそが、まさに“ポジデブ”です。
タフトは、改革にも臆せず邁進。国内大企業を取り締まる独占禁止法を推進したり、「ドル外交」と呼ばれる外交政策を展開したりしました。デブは動けないと思われがちですが、やるときはやるんです。
そんなタフトの名言が「自分の身に降りかかってこない限り、何が起ころうと全く意に介さない人が大勢いる」というもの。タフトが怒るのも無理はありません。そう、みなさん、デブになって初めてわかることがあります!
バスタブを大きくしたことからも、もしかすると、ガリガリも太っちょも、お互いに尊重しあえる共生社会をタフトはつくりたかったのかもしれませんね。
渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』や暴走族雑誌『ティーンズロード』などエッジの効いた若者カルチャーをテーマにした雑誌を多数手掛ける。現在はWebマガジン『
Mr.Babe』でデブに特化したファッション&ライフスタイル情報を発信中。また、デブ限定の会員制オンラインサロン「Mr.Babe BIG MAN’s LABO」、大きいサイズのファッション通販サイト「
Mr.Babe STORE」を開設。大きな男たちだけで日本の経済を向上させるべく奮闘中。X(旧Twitter):
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