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「女性が抱く違和感はほぼ100%正しい」違和感の時代を生き抜くための方法とは?/春日武彦×平山夢明

違和感を守ることの大切さ

春日武彦 平山夢明春日:そうだよね。 平山:だから、違和感に従うかどうかは自己判断ってことになっちゃうわけだけど、でも、この違和感は非常に重要なんだって。 春日:違和感は言語化できないから、違和感のまんまで釈然としないんだよね。 平山:先輩から「これ、いいよ」って誘われて、「なんか、おかしい」と思っても、そこを理論で押されるとね。  仮に違和感に従って断ると、「だからあんたダメなのよ」とかさ、関係性が悪くなったりするかもしんないしね。もし、従った場合の失敗は現実化しないから、「なんか悪いことしたかな?」って善人ほど思っちゃうんだよね。 春日:そうそうそう。 平山:でも、実はそれが非常に重要なことで。自分を信じて「違和感を守る」ことをしていかないとダメな時代になってる気がする。 春日:「嫌われない勇気」でなくて「違和感を捨てない勇気」。 平山:それ、絶対これから大事だと思う。正論やデータとかで襲ってくるヤツっているじゃん。こっちを説き伏せようとして。でもね、やっぱり自分が最初に抱いた違和感っていうのは、自分が持ってる「歴史」が伝えてるんだもんね。 春日武彦 平山夢明春日武彦(かすがたけひこ) 1951(昭和26)年、京都府生まれ。医学博士。日本医科大学卒。産婦人科医を経て、精神科医に転進。都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院神経科部長などを経て、現在も臨床に携わる。著書に『精神科医は腹の底で何を考えているか』(幻冬舎新書)、『猫と偶然』(作品社)、『無意味なものと不気味なもの』(文藝春秋)、『奇想版 精神医学事典』、『鬱屈精神科医、占いにすがる』(ともに河出文庫)などがある。 平山夢明(ひらやまゆめあき) 1961(昭和36)年、神奈川県川崎市生まれ。法政大学中退。デルモンテ平山名義でZ級ホラー映画のビデオ評論を手がけた後、1993年より本格的に執筆活動を開始。実話怪談のシリーズおよび、短編小説も多数発表。短編『独白するユニバーサル横メルカトル』(光文社文庫)により、2006年日本推理作家協会賞を受賞。2010年『ダイナー』(ポプラ文庫)で日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞を受賞。最新刊は『俺が公園でペリカンにした話』(光文社)。 構成/山崎圭司
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「狂い」の調教

違和感を捨てない勇気が正気を保つ

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