更新日:2023年03月21日 16:44
ライフ

なぜ人生が幸せに感じない?目標よりも大切な「価値観の話」

人生を有意義で目的のあるものにするには

階段を上るビジネスマン 価値観が定まっていないと、義務感や他者の期待、あるいは、それを達成したらようやく満足できる、リラックスして自分を認めることができる、という予測に基づいて、目標を設定しがちだ。そうすることの大きな欠点は、満足し幸せになるための条件を限定してしまうことだ。また、満足と幸福感のすべてを、今ではなく将来に置くことにもなる(Clear, 2018)。  わたしは目標を設定すべきでないと言っているわけではない。しかし、何かに向かって努力するとき、なぜそれに取り組むのかを明らかにし、人生における満足や幸福感は終着点に待っているのでなく、そこまでのプロセスにあることを理解しておくのは有益だ。  将来、幸せになるのを期待するのではなく、自分にとって最も大切な価値観にしたがって生きることで、今、人生が有意義で目的のあるものになるとしたら、どうだろう? わたしたちは、依然として変化と達成を目指して懸命に努力しなければならないが、意義深い人生の訪れを待っているのではなく、すでにそれを手に入れているのだ。 【まとめ】 ・多くの人は、幸せが標準的な状態であり、そうでなければメンタルヘルスに問題があると思い込んでいる。 ・わたしたちが時々不幸な気持ちになるのは、わたしたちが人間であり、人生に困難は付きものだからだ。 ・人生を価値あるものにするのは幸福感だけではない。幸福、愛、喜び、恐れ、羞恥心、苦痛、そのすべてが生きがいをもたらす。 ・価値観をはっきりさせると、意義と目的のある目標を設定しやすくなる。 ・価値観を中心に据えると、辛い時期にも、自分は正しい道を歩んでいることを自覚し、耐え抜くことができる。 <TEXT/ジュリー・スミス(心理学者・臨床心理士)>
心理学者・臨床心理士。オンラインでの発信やカウンセリングが人気を博し300万以上のSNSフォロワーを持つ。心理学・精神医学に基づく適切な知識を動画でわかりやすく届ける活動はBBC等にも取り上げられる。著書『一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全』(野中香方子・訳/河出書房新社)
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