仕事

就活生のSNS「裏アカ」調査の最前線。飲酒、喫煙…人事部につつぬけ

企業のコンプラ意識の高まり「採用前にリスク回避したい」

企業調査センター ポジティブな面では、採用候補者の人間性を知り、どんな経験を積んできたのかをSNSを通じて把握することで、所属先を選定したりするのにSトクを活用するという。  しかし、ネガティブな面で言えば、過去に社会通念上で不適切な投稿や常軌を逸した行動、反社会的勢力との関係の有無など、裏の顔を知っておくことでリスク回避につなげる目的でも使っているとのこと。 「近年、SNSを発端にした炎上が取り沙汰され、企業側のコンプラに対する意識の高まりも相まって、『裏アカを特定してほしい』という調査依頼が、従前と比べても件数が増えています。一方で、個人情報保護法の観点から、採用候補者には企業を通じて同意書をもらうようにしており、就職差別につながらないような配慮を行っています。あくまで企業が人を雇う上での判断材料のひとつとして、SNSの投稿に懸念事項がないかどうかを知っておくというスタンスで、Sトクを利用しています」

裏アカで垣間見られる「本当の顔」

裏アカ

面接ではわからなかった「本当の顔」が裏アカから見えてくる

 では、実際にはどのようにして裏アカ調査を行っているのか。  まず、裏アカの特定の仕方について、独自の手法部分は企業秘密とのことだが、本人の名前から推測されるニックネームや趣味嗜好を手がかりにアカウント名を想像したり、出身校の同級生やフォロワーの繋がり、投稿内容をたどって裏アカを探し出すようにしているという。 「現在はSNSのアカウントを使い分けているのが当たり前なので、1人の対象者に対して調査員が2、3名体制でアカウントの特定に動きます。裏アカの特定には約1〜1.5時間くらいかけていて、見つかったアカウントが鍵アカ(フォロワー外には非公開のアカウント)であっても、アイコンやプロフィール文、フォロワーの数とかで、なんとなく人柄も浮かび上がってくるんです」
次のページ
未成年飲酒や喫煙、下半身露出も…
1
2
3
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

記事一覧へ
おすすめ記事