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現代人の疲れは「うつ病を引き起こしやすい」。脳の効率的な休ませ方を医師に聞く

効率的な休み方は人によって異なる

 では、事前に脳をリフレッシュさせる効率的な休み方はないのだろうか。西多先生は「効率的な休み方は働き方や人によって異なります」と前置きしつつ、「リアルに現場で働いている人や肉体的に疲れる職業に就いている場合は、やはり昔からの休息が必要ですよね。帰宅後や休日は横になるなど体を休めるリフレッシュが必要」と続ける。 「肉体面ではない疲れの場合は、脳や精神を休ませてあげる。そして、気持ちをリフレッシュさせてあげるといいですね。あまり体を動かさず自宅にいることが多い人は、運動不足や日照不足の可能性があるでしょう。  気持ちを安定させたりストレス耐性をアップするセロトニンや、覚醒と睡眠を切り替え、質の良い睡眠を促したりするメラトニンが不足して、睡眠障害やうつになるリスクも高まります。寝ても疲れが取れない、眠りが浅いと感じる人はまず、ストレッチや散歩など軽く体を動かしたり、午前中の太陽を浴びたりする時間を作ってみてください」  人によっては職場へ行かなくなったことで、コミュニケーション不足による孤独感にさいなまれ、ストレスになることもあるようだ。オンラインで話すことがリアルとイコールではないため、すき間時間のアルバイトやコミュニティカフェへの参加もひとつの手段といえる。 「ただ、アクティブな人もいれば、他人と話すのがストレスになるという人もいる。インドア派の人に無理やり、休日は毎回キャンプをしましょうと言ってもストレスになるだけです。まずは、趣味やボーっとするなど自分の好きなことをする、自分のために使う時間を作ってみてください。ただ、脳のリフレッシュには異なった作業をすることもポイントです」

オン・オフ区別でリフレッシュ

発見 普段パソコンで仕事をしている人がスマホでネットサーフィンをしても、脳はリフレッシュしづらい。座ることが多い人は立ち上がって伸びをし、5~10分でも瞳を閉じて目を休めたり深呼吸をして気持ちをリラックスさせたりするだけでもリフレッシュにつながるようだ。 「オンラインでできる作業は帰宅後や休日にすませるのが当たり前という職場にいる場合、『いま休むと、次の仕事がもらえないかもしれない』『自分だけが取り残されていくのでは?』と不安になる人もいるかもしれない。  ほかにも、私を含め完全にオフの日を作ると、メールのチェックや返信で休日明けが大変になるというケースもあります。なので、無理やり休日を作って休みましょうということではありません。上手にオン・オフの区別をつけるのがおすすめです」  明るい時間帯に仕事をして夜はゆっくり休む、休日の午前中はメールのチェックなど簡単な業務をこなして午後からは好きなことをやる、など自分に合った休み方を模索して実行するのが具体的な対策だと説明してくれた。
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モチベーションが高くても休息は必要
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フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意

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