更新日:2023年03月19日 11:23
エンタメ

「本音を言うね」少年隊・錦織一清が明かすサブスク解禁と“ジャニーズへの想い”

サブスク解禁「10年後にやるなら、今やろうよ」

錦織一清――ところで本書を読むと、自然と少年隊の楽曲を聞きたくなってきます。今の世代はサブスクやYouTube、SNSなどでアーティストに触れる機会も多いと思うのですが、そうした部分とジャニーズの関係はどう感じていますか? 以前よりはオープンになっていますが、たとえば少年隊の楽曲はサブスクで解禁されていません。 錦織:そうなの? 本音を言うね。サブスクで、「いつか聞けるようになるんだったら、早くしたほうがいい」というのが僕の考え。ずっと前から思ってました。家でデスクトップのパソコンを触ってるときからね。オフィシャルのホームページとかさ。やればいいのにって。実際、事務所に言ったこともあります。でも上層部の「うちのファンの子たちはパソコンなんか持ってない」の一蹴で終わっちゃった。  本当は、どのプロダクションよりも先にサイトもYouTubeも、ジャニーズこそがやるべきだったと思います。先に先に。それが後乗りになっちゃった。今のサブスクの話もね。どうせやることになるなら、早くやったほうがいいと思います。だって聞きたいと思ってる人がいるんだから。というのが僕の考え。10年後にやるなら、今やろうよ。 ――CDを手元に持っている人だけでなく、本書を読みながら、手軽にサブスクで少年隊の曲を聞きたいです。 錦織:そうだよね。僕もそう思います。

赤い花を待って黄色い花が咲いても、ジャニーさんなら喜ぶ

錦織一清

錦織一清『少年タイムカプセル FC限定版』(新潮社)

――最後に、現在のジャニーズ事務所を客観的に見て、錦織さんが何か思うところはありますか? 錦織:たとえば、事務所のなかのアーティストが実は役員に入ってるとか、別に普通のことだと思うし、そんなに話題にすることでもないと思うんです。だから今騒がれているようなことは、僕の中では全然問題ないことだと思います。  それより、僕の中で心配なのは、正直に言っちゃうと、やっぱりジャニーさんがいないという事実。僕がこの本の中でも、これだけジャニーさんとの思い出を書いて、ジャニーさんとこうやって作ってきたんだよと語ってきた、その人が、今、いない。  たとえば、ジャニーさんが探していた赤い花を、いま咲かせようとしたとして、咲いた花の花びらを赤く塗ればいいと思っている人が多いと思うんです。でも赤い花が咲くかどうかは、根っこを調べなきゃ分からないんですよ。それを塗って終わりにしてしまう。そんなことやっちゃいけないし、ジャニーさんはそんなこと許してくれないと思う。  ジャニーさんなら、「ごめん、僕、黄色い花を咲かせちゃった」と言ったとしても、頑張った結果が黄色い花なら喜んでくれる。もし何かの変異で青いバラが咲いたりしたら、それこそ大喜びです。赤い花を狙ったって、フランフランの造花みたいに花が咲くわけないんだから。ジャニーさんがいないことで、そうした心配は感じます。 【インタビュー前編を読む】⇒少年隊・錦織一清57歳がいま振り返る、あのときジャニー喜多川氏が考えていたこと <取材・文・撮影/望月ふみ>
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi
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錦織一清著『少年タイムカプセル』は新潮社より発売
錦織一清 オフィシャルサイト
https://unclecinnamon.com/
少年タイムカプセル

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