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元セクシー女優が痛感した「セクシー女優の後遺症」とは。狂った金銭感覚は今も戻らず

高級焼肉、しゃぶしゃぶ、寿司、すっかり贅沢になった舌

たかなし亜妖さん 高収入の仕事をしていると“美味しいもの”がたくさん食べられる。自分のお金で食べに行くことも可能であり、現場でもそこそこいい食事が出され、プロダクションからもたまにご馳走してもらえる。すっかり舌は贅沢病にかかり、回らないお寿司の味を若くして知ってしまった。  当時はコスパの良い食べ放題など一切気乗りがせず、同級生に誘われた時、私は露骨に嫌な表情を浮かべたのだろう。友人から「贅沢舌めが」「いい加減にしろ」「そろそろ普通に戻れ」と散々怒られ、無理矢理引っ張られていったのを今でも覚えている。  一般的な同世代と比べればわがまま舌になってしまったが、現役時代と同じ食生活をしていれば見事に破産まっしぐらなので、致し方なく料理の腕を磨いた。今ではほとんどお家ご飯で満足できるレベルにはなっており、たまに贅沢でいいところへ食事しに行く程度。毎週のように焼肉へ行かなくとも平気になったので、多少は一歩前進できたのだろう。

味覚についてはセクシー業界経験後一番の後遺症

 ただ味覚に関してはなかなか矯正が難しく、セクシー業界経験後一番の後遺症と言ってもいい。衣食住、贅沢をしようと思えば際限がなく、私はそのなかでも「食」が最も苦労した部分だったということだ。  一度ついた職業病を完全に消すのは難しい。特に収入の高い仕事は金銭感覚の狂い方が著しいため、何が正常かわからなくなりやすいのが少々怖い部分と言えようか。  意識して無理に抜け出そうとするより、上手に付き合っていくよう心がける方が一番の解消法なのかもしれない。そろそろ私も引退して5年が経つ。いつまでも「業界人だったから」を言い訳にせず、世の中と足並みを揃えて進むことを忘れずに暮らしたいものだ。 文/たかなし亜妖
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。
Twitter:@takanashiaaya
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