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森保ジャパン、苦戦の裏に潜む“野望”。完成形は「世界でも稀なチーム」に

新戦術への挑戦は「来年9月」までか

森保監督

左サイドバックの伊藤洋輝に指示を出す森保監督

 森保監督は積極的に新戦力を招集して起用している。特に顕著なのはサイドバックである。これまでサイドバックを務めてきた長友佑都や酒井宏樹が今回は招集外だったが、総じて「計算できる選手」として評価している。世代交代も求められるなかで彼らベテラン勢にはできない新戦術にチャレンジし、うまく進めばそのまま世代交代へ。失敗した場合には彼らを呼び戻して元の戦術へ戻すといったことをシミュレーションしているはずだ。  どちらが見たいかというと、個人的にはもちろん前者の新戦力による新戦術の完成形だ。ただ、新しいことに囚われるがあまり、結果を出せず本大会ベスト8はおろか、予選敗退となってしまったら本末転倒となる。  そうならないためにも、新しいチャレンジには期限が必要となる。今年11月にはアジア2次予選が始まり、来年の1月には大陸チャンピオンを決めるアジアカップが開催され、最終予選は来年9月から始まる。スケジュールを考えると、本大会出場が懸かる最終予選の前までに完成形とまでは言わないものの、実戦で成果を挙げられるレベルになってなければならない。ということは、新戦術へのチャレンジも「来年9月」をリミットとすべきだ。  今は理想形、完成形を妄想しながらワクワクする期間だが、ぜひとも実現させてもらいたい。そのときには同時に新たなタレントが日本代表には誕生しているだろうから。 <文/川原宏樹 撮影/松岡健三郎>
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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