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森保ジャパン、苦戦の裏に潜む“野望”。完成形は「世界でも稀なチーム」に

 サッカー日本代表はFIFAワールドカップ2022 カタール以来となる試合をし、2026年に開催される次回のワールドカップに向けて新たな船出を迎えた。ウルグアイ代表には1―1で引き分け、コロンビア代表には1―2で敗れ、残念ながら勝つことはできなかった。しかし、新戦力や新戦術を導入した“新たな景色”を見るための試みにはある程度の手応えを感じたようで、「我々がトライすべきところ、カタールのワールドカップからメンバーが変わるなかでチームとしてのチャレンジや、個々のつながり、共通意識のクオリティを上げようとしてくれたことに関しては、選手たちは今できることを頑張ってくれた」と、森保一監督は2試合を終えて評価している。  日本代表は次回のワールドカップに向けてどのような課題を持ち、どのように取り組んでいるのかを振り返ってみよう。
森保監督

新生森保ジャパンは1分1敗という結果に

現状では本選での苦戦が予想される

 カタール大会で世界の強豪相手に通用したポイントは2つある。後方へ引いてゴール前を固める組織的な守備と、前線のタレントが持つスピードや突破力という才能を生かした素早い攻撃だ。多少のメンバー変更はあるものの、それは次の大会を目指すなかでもそのまま日本の強みとなる。  一方、守備を固められた相手に対しては崩しきれずに接戦となる。予選において顕著で、毎回苦しめられ弱味となっているのはご存じだろう。  また、次大会を勝ち上がるうえで外せない要素として、本大会参加国枠の増加がある。予選はもちろん本大会においても格下と対戦する可能性があり、日本と対する相手は守備を固める戦術にする脅威が考えられる。

新生・森保ジャパンの取り組みは?

 クリアしなければならない課題に対して、新戦術に取り組む結論に達したのが、新生・森保ジャパンだ。  実際にどのような戦術を取り入れたのか。それは相手ゴール前にボールを運ぶまでのビルドアップ時に、サイドバックを中央気味に配置させることだった。  現代サッカーではピッチを分割して、それぞれのエリアでどのようなプレーをすべきか、選手らをどのエリアに配置するのかを考える指導法が主流となっている。たとえば、ピッチを横に3分割して相手ゴールに近いエリアを「アタッキングサード」などと呼び、そのエリアでは積極的に突破をしかけようと考え方がある。
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W杯で“対策”はできていた
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スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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