いずれイケメンだっておじさんになる
育児中の友寄と娘
——年の差婚をして良かったと感じていることはある?
友寄:した側としては、めちゃめちゃオススメするわけではない。歳の近い人と結婚した方が
その後一緒に過ごせる人生は長いので。
もちろん、おじさん好きの女の子もいると思うけど、周りの同級生だって数年経てば
ちゃんとおじさんになる。(若者よりも)稼いでる人が良いからという理由ならば、周りの同級生だって
数年経てば稼げるようになる。結局、みんないずれおじさんになるじゃない。だから、焦っておじさんと結婚しなくてもみんなふけるよ。
——魔法少女がいずれ魔女になるっていう某アニメを思い出したわ。要するに、イケメンだっておじさんに、美女だっておばさんになるってことやな。
友寄:そうなの。一緒に過ごせる年数も短くなるし、相手の
健康のこととか
心配事も増えてく。よく「金目当て」みたいな話もあるけれど、まわりの10歳、20歳差婚をしている友達は、同級生と結婚する場合よりも、倒れた時、働けなくなった時、何かあった時など、そういうのを見据えたうえで、
ちゃんと覚悟がある。
——つか、金目当てって……。
友寄:金目当てって、よっぽど
何十億の資産家とかじゃないと成り立たないと思うの。例えば、好きじゃない相手と暮らして、衣食住のうち、衣と住は成り立つかもしれないけれど、
食事は好きじゃない相手と毎回毎回重ねるのってしんどいと思うんだよね。結婚はそうじゃない。食事の最中がいちばん顔を合わせるから、愛情が少なからずないとしんどいよ。
——衣と住は成り立つんかい!なんとなく言いたいことはわかるけど。年の差婚って、よっぽど相手のことが好きか、よっぽど石油王じゃないと成り立たない……そういう意味じゃ、年の差婚をしてる人たちはみんな幸せということだね。
友寄:そうだと思う!
考えたくないけど「もしも夫が先に逝ってしまったら…」
外出先での夫と娘
——さっき“一緒に過ごせる年数”って話があったけど、やっぱり先のことは考えているんだね。
友寄:年齢どおりにいけば当然、夫の方が先に寿命を迎えることになると思うの。普通の夫婦より一緒に過ごせる時間が短いから、
家族で過ごしたいって思いが強くて。よく育児の息抜きとか、一人の時間欲しいって話を聞くけど、私は一人の息抜き時間とか全然要らなくて、三人で一緒に過ごせるなら家族で過ごしたい派なんだよね。夫に娘をみてもらえる時間があるなら、じゃあ一緒に過ごそうってなる。娘と夫と三人で過ごすのがめちゃくちゃ楽しいんよ。これは
三人とも同じ気持ち。娘もパパが大好き。ちょっと小太りのキャラクターを見るたびに全部パパって言ってくるくらいパパが好き。
——自分も過去に大きな病気を経験して思う部分もある?
友寄:人間って、いつ死ぬかわからない、(年齢どおりの)順番に死ねるとも限らないし、若くても介護が必要になるって学んだから。年齢が気にならなくなったし、離れていても思い切って結婚できた。
見つめ合う親子
* * *
友寄は、学生時代に急性白血病に罹り、多くの人からの輸血で生きながらえた。そこで生に向き合ったからこそ、相手の生(本質)に目を向け、大切な人たちとの時間を愛しんでいるのだと思う。
筆者が強く感じたのは、人生の不思議な“必然性”だ。それらに年齢は関係なく、外聞さえ関係ない。こんなにも互いのピースがぴったりとはまり、隙間を埋め合える関係をとても羨ましく思った。結婚とは、そういうものなのかもしれない。
【友寄蓮】
1995年3月29日生まれ。高校時代に急性リンパ性白血病と診断され、闘病生活を送る。
モデル業の傍ら、100回以上の輸血に救われた経験から講演等にも多数登壇している。
彩の国けんけつ大使、日本赤十字社献血セミナー担当。2021年に結婚、第一子出産。
オフィシャルブログ「
泥に咲く」
<取材・文/麻衣阿>
2社10事業を経営する現役モデル。大河ドラマやオペラ出演など、表舞台で活躍しつつ、イベントや舞台を100企画主催、グラビア作品を100本プロデュースする。辰巳出版『実話ローレンス』、講談社『with online』など、男性向けから女性向けまで幅広く記事を執筆する。Twitter:
@MaiaUmetani、Instagram:
@maiaumetani