「全裸以上の恥ずかしい事態に」35歳の現役グラドルがパリコレに出演してみたら
10月頭、パリコレことパリ・コレクションにモデルとして出演した筆者(麻衣阿)。パリコレと聞くと一見華やかな印象があるが、今回は筆者がじかに目にしたパリコレ事情を包み隠さずお話ししたい。パリから日本に帰国するまで、旅はまさにハプニング続きだった……!
まず驚いたのは、現地で日本の関係者から聞かされた注意事項である。
「ブランドから割り当てられた衣装は、肌身離さず持っていること。たとえ『デザイナーからチェンジするように言われた』と他のモデルが言ってきたとしても、その場で衣装を渡してはダメ。必ず主催側と事実関係を確認してください。中には『私の方が似合うから(着こなせるから)お前の衣装をよこせ』と言ってくるモデルもいます」
「いやそんなまさか」と思うような話だが、実際に衣装ごとランウェイの出演を盗られてしまうなんていうことは多々あるそうで、今回も衣装を盗られた日本人モデルがいた。
強奪防止に、仲の良いモデル同士で互いの衣装を見張ったりもしていたが、同時に同じブランドで出番がきてしまうなど、どうしても目が離れてしまう時間もあった。今回衣装を盗られずに済んだ筆者はラッキーだったのかもしれない。
インド系のプロのメイクアップアーティストに施されたヘアメイクはこてこてのアジア顔で、眉上までアイラインで太く描かれたアイブロウ、そして本物のアイラインのほうは特に何も引かれず、目の下はアイシャドウで真っ黒に。
ちなみに筆者はブランドの専属モデルとして呼ばれたわけではない。
筆者のようにフリーで参加するモデルは、椅子に座り、デザイナーやスタッフから声が掛かるのをひたすら待ち続ける。しかし筆者は35歳(出演時)、身長158cm(年々縮む)。
こんな低身長でアジア顔のモデルに振ってもらえる、西洋の衣装が果たしてどれほどあるのだろうか。そう内心震えながら待ち続けた。
もちろん真っ先に声が掛かるのは海外のモデルや、いかにもモデルなスタイルの人ばかり……。皆が続々とフィッティングに入るなか、自分よりもだいぶ高齢で低身長のモデルとふたりで取り残され、自信を失っていった。
「ここ(パリ)まで来て、まさかの衣装なし……?」
笑顔を見せる余裕なんてもはや無い。不安に駆られながら待ち続ける時間は、市場で売れ残ったお野菜の心地がした。
「お前の衣装をよこせ」モデル同士の攻防戦
待ち時間は、まるで“市場に売れ残ったお野菜”の気分
2社10事業を経営する現役モデル。大河ドラマやオペラ出演など、表舞台で活躍しつつ、イベントや舞台を100企画主催、グラビア作品を100本プロデュースする。辰巳出版『実話ローレンス』、講談社『with online』など、男性向けから女性向けまで幅広く記事を執筆する。Twitter:@MaiaUmetani、Instagram:@maiaumetani
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