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信長の野望が“位置情報ゲーム”戦線に出陣。ポケモン、ドラクエを超えられるか

強力なライバル勢に割って入れるか?

ポケモンGO

2016年の配信開始以来、位置情報ゲームの代名詞となった『ポケモンGO』公式サイト

 では、この『信長の野望 出陣』は位置情報ゲームファンをどれだけ取り込めるでしょうか。位置情報ゲームはバッテリーの消費が大きく、スマホアプリのなかでは掛け持ちをするのが難しいジャンル。ユーザーの直接的な取り合いになると言われています。現在日本では『ポケモンGO』と『ドラゴンクエストウォーク』の二強状態。しかし、付け入るスキがないわけではありません。 『ポケモンGO』はここ数年プレイヤーの不満が募っている状況。対人戦「GOバトルリーグ」路線の強化や、有料イベントでの度重なる不具合、直近ではコロナ禍で導入された「リモートレイドパス」の値上げ(1枚100ポケコイン→195ポケコイン)&使用回数制限が炎上しています。  もともと遠隔でのレイドバトルはコロナ対策として導入された側面があり、コロナが落ち着いた今、方針転換がなされた格好ですが、このリモートレイドパスは地方格差の是正に貢献していたため、「相変わらずの地方軽視」という不満が出ています。また、海外プレイヤーとの交流のきっかけを失うという意見も見られました。数々のバグとマンネリ化も相まってモチベーションが下がっているプレイヤーが、『信長の野望 出陣』に移る可能性は十分にあります。
ドラゴンクエストウォーク

「日本100名城」を巡るコンテンツも楽しめる『ドラゴンクエストウォーク』公式サイト

『信長の野望 出陣』の直接的なライバルとなりそうなのが『ドラゴンクエストウォーク』。『ドラゴンクエストウォーク』は、日本国内の月別セールスランキングで『ポケモンGO』をコンスタントに上回ってきています。  ただ、3.5周年を迎えた今、敵の強さがインフレ化し、強力な武器・防具を入手するためには「無課金では厳しい」という嘆きも……。スマホゲームの世界では「課金圧」という言葉がよく使われますが、『信長の野望 出陣』が、ガチャやイベントに対してどういったマネタイズの施策を取るかにも注目です。

「歴史」というモチーフの強み

『ポケモン』や『ドラゴンクエスト』とは違い、『信長の野望』というゲームを知らなくても歴史ファンなら楽しめるのが『信長の野望 出陣』の強み。ほぼ日本全国に武将や史跡がちらばっているのも、自治体などと組んでイベントを行う際のメリットとなります。  グローバルに展開するコンテンツではないため、国内ユーザーの声に対してどれだけきめ細かく対応できるかもブレイクの分かれ目となりそう。大きなポテンシャルを秘めた『信長の野望 出陣』。この夏は領地拡大のために全国行脚に出る人も増える!? <文/卯月 鮎>
ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲーム紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。雑誌連載をまとめた著作『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)はゲーム実況の先駆けという声も
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