“レンタル事業撤退”のトップカルチャー。「舵取りが難しい局面」をどう切り抜けるか
TSUTAYAのフランチャイズ加盟店最大手のトップカルチャーの業績が回復しません。2023年度1Qの売上高は前年同期間比10.3%減の53億9600万円、営業利益は同74.5%減の3900万円でした。赤字ギリギリのラインまで落ち込んでいます。
トップカルチャーは2021年7月15日に発表した中期経営計画において、レンタル事業からの撤退を明言。別事業への切り替えを急ぎました。その効果がまったく出ていません。
トップカルチャーが大幅な減収に見舞われている主要因は、主力となる書籍の販売が落ち込んでいるため。2023年度1Qの書籍の売上高は前年同期間比10.5%減の31億9200万円でした。2021年度の同期間と比較すると、26.0%も縮小しています。
鬼滅の刃という特需効果が失われて反動減に見舞われました。書籍の売上減がこのペースで進むと、赤字から抜け出せなくなる可能性があります。
今回の決算において、最も注目すべきポイントはゲーム・リサイクル領域でしょう。中古グッズなどを扱うテイツーと2000年に合弁会社トップブックスを設立しました。2022年度はトップブックスのブランドである「ふるいちトップブックス」を13店舗オープンしています。
「ふるいちトップブックス」は新規出店ではなく、トップカルチャーが扱っていたゲーム・リサイクル事業の切り替えだったことは間違いありません。しかし、合弁会社による13店舗もの売り場リニューアル効果がフルで寄与していますが、「ふるいちトップブックス」の売上高の純増額は2,700万円から7,700万円の増収となりましたが、その効果は会社全体の業績を好転させるまでには至っていません。
※記事公開当初、【しかし、合弁会社による13店舗もの売り場リニューアル効果がフルで寄与して減収になったことは見逃せません。しかも、4割近く落ち込んでいるのです。トップカルチャーは合弁会社トップブックスの売上が好調に推移して全体の売上伸張に大きく貢献していると説明していますが、その真逆となっているのは明らかです。】という記述がありましたが、筆者が開示情報を曲解していたことから削除、訂正しました。「合弁会社トップブックスの売上が好調に推移して全体の売上伸張に大きく貢献している」という会社説明は、「ふるいちトップブックス」において同じ純額計上している前年同期で比較すれば、27百万円から77百万円と、前年同期比280.5%の増加となっているため、大幅に増収となっていることは事実です。ご迷惑をおかけした読者の皆様ならびに関係各位には深くお詫び申し上げます【2023年 5/30 12時追記】
主力となる書籍の売上が減少
大規模リニューアルを行った「ふるいちトップブックス」だが…
フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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